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今日の点滴が始まってしまう前に、少し病室から出てみた。
窓から見えるお庭には、制服を着た子がちらほらと見える。
もしかしたら、あの子たちも明日には入院してるのかもしれない。
でも、たいがいの子たちは明日からも普通に学校へ行く。
｢いいな｣
もし、あのまま普通に学校へ行けてたら、今日は吹部の定期演奏会だった。
吹部に入ってる友達が多かったから、楽しみにしてた。
こんなこと言ったってしかたないのはわかってる。
でもたまには、言わせて欲しかった。
大貴｢あ！涼介！Aちゃんいたよ！｣
後ろから突然大きな声がした。
聞き慣れた声。
大ちゃんが、にこにこしてた。
最近思う。
学校に行けなくなったのは辛いけど、大ちゃんと会えたことは嬉しい。
だから、入院したって悪いことばっかじゃない。
そんな気がした。
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作者名：よぞら | 作成日時：2020年2月3日 11時
