perfect smile【しょごりく】

Ｎｏ．６ ページ6

ピピーッと試合の終わりを告げるホイッスルがフィールドに鳴り響いた。




「っしゃあ！！！！」




得点板には６−２でこちらの勝ち。



後半戦にいたっては怒涛のゴールラッシュだった。



青山陸。



入部してまもなく1年でありながらレギュラーの座を勝ち取った彼は、現在は不動のエースストライカーだ。



フィールドに選手たちが1列に並び、握手を交わした。



親善試合、の名の通りに、試合が終わったあとは和気あいあいとした雰囲気の中で互いのチームメイトが交流を始めた。



青山陸はその中でも1番の人気者だった。



控え室へ戻り、着替え終わったあとも外へ出ればすぐさま取り囲まれる。





「陸先輩！今日の試合かっこよかったです！」

「最高でした！」

「また試合見に来ますね！」




頭一つぶんほど低い、取り囲んでいる女子にも嫌な顔せずに対応する。





「応援してくれてありがとう！またね」




そう言って女子たちの波を優しくかき分ける。





「っ、カッコよすぎ･･･」

「やさしい･･･」

「好き･･･」





もはや、何をしても多くの女子を虜にしてしまう男。



その男が唯一、虜になっている男。



それが岩谷翔吾という男。

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