perfect smile【しょごりく】

Ｎｏ．２９ ページ31

いつの間にか授業は終わっていて気がつけば目の前に現代社会の鬼教師。


あ、やばい。


そう思った瞬間には雷が落とされた。




そして現在、社会科準備室でクラス全員分の資料をホッチキスで止めるという地味かつ長時間労働をしている。



「はぁ最悪」



まあ自分が授業に集中できなくて寝ちゃったのが悪いけどさ。


ここまでめんどくさいことを押し付けられるとは思わなかった。



もう外は夕焼け。



部活には参加出来ないし、しょうごとは一緒に帰れないしほんとに最悪。


ちなみにしょうごにはきっちり今日は一緒に帰れませんよ、て言われた。


なんの用事かは知らないけど。



ようやく全ての資料を閉じ終わった頃には外が暗くなり始めていた。



荷物を持って玄関へと歩き出す。



先生たちもほとんど帰ったのだろう、廊下はどこ見ても暗かった。



だけどひとつだけ電気のついている教室を見つけた。



向かい側にある校舎の1階にある教職員用の駐車場に面している場所。




職員室とは離れた場所にある小さな教室。




詳しくはどんな部屋かは知らないけど、そこから出てくる人影が2つ。




1つは背が高くて、もう1つは小さい。




「･･･ん？･･･しょうごに似てる･･･？」




サイドに多めに流したふわふわとした茶色っぽい髪と背丈がよく似ている。



というか1回そう思ってしまったらどう見てもしょうごにしか見えない。



そして大きい人影の方を見れば新任の大津だということが分かった。



2人は電気が落とされた教室を後にし、そのまま駐車場に停めてある車に乗り込んで走り去っていく。



その光景になぜか胸騒ぎがした。


しょうごと決まったわけでもないのに。





なぜか。




俺はしょうごに明日確かめることを心に決め、学校を去った。

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