perfect smile【しょごりく】

Ｎｏ．２８ ページ29

しょうごと初めて出会ったのは中学生のとき。


しょうごも中学生だった。


しょうごの親はいわゆる転勤族で、大阪からこっちへと移り住んだ。



家が近くて親同士、意気投合してすぐ仲良くなった。


このときのしょうごは女の子と間違われることも多いくらいちっちゃくて細くて、誰もが守ってあげたい、そう思う子だった。


まあ、そんなしょうごに近づくやつらを追い払うように俺はしょうごにべったりだった。


しょうごもりくさん、りくさんてすぐに後を着いてきた。


時が経つにつれて過ごす時間が増えた。


勉強を教える名目でよくしょうごの家にもお邪魔した。


うん、毎日ぐらい。


いつの間にか離れたくない、しょうごがいなきゃだめ、って思うようになってた。


この時から俺はしょうごで抜くようになった。


しょうごに触れたい。


抱きしめて、キスをして、その先もしたい。


この思いがどんどん積もっていく。


この思いをしょうごにすぐにでも伝えたかった。


でも俺たちは男同士で、他にも未成年だったり、どうしようもない壁や障害があった。


けれどしょうごも俺のスキンシップに満更ではない感じだった。


期待した。





だから、俺は賭けることにした。


もししょうごが俺と同じ高校へ来たなら、しょうごに告白しよう。





そしてこの賭けは俺の勝ち。



しょうごは俺を追って家族と離れてでもこっちの高校へ進学してきた。



だから入学してすぐ、桜の木の下でしょうごに告白した。



しょうごの丸くて大きな目にみるみる涙の膜が張って、頬は桜に負けないくらい赤くなっていく光景は今でも自身の目に焼き付いている。



しょうごが頷いたとき、抱きしめた。



しょうごも俺の身体に手を回して強く抱きしめ返した。



細くて俺よりちっちゃいしょうご。



しょうごを守る。



この時そう誓った。

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