【ハイキュー!!】 体は男、中身は女 【男主】

はらぺこ　　　　２０ ページ21

朝、登校したら靴箱に封筒が入っていて、中に入ってた紙には“放課後 体育館裏”とだけ書かれていた。


だから俺は今、体育館裏に一人で来ている。

誰に呼び出されたのかはわからないけど、俺の事を良く思っていない人だということは察せられた。


「あ、来てくれたんだぁ」


……美術部の子だ。いつも俺に突っかかって来る子。


「来ないかと思ってた」

「そ？ まぁ手短にお願いしたいな、しょうよーが待ってるから」


そう答えると、美術部の子は険しい顔をした。

ずっと思ってるけど、可愛い顔してるんだからこういうの止めればいいのに。モテなくなっちゃうよ、そんなんじゃ。


ポソ、と小声で何かを呟く女子。

上手く聞き取れなかったなぁ、なんて思いながらも、俺は特に声をかけない。だって面倒だから。


あー、それよりも今日の夜ご飯何かなぁ……。

餃子食べたい。……あ、でも昨日治くんから送られてきてたピーマンの肉詰めも食べたいなあ。


「ッ、アンタ気持ち悪いのよ!!! 男のくせに髪なんか伸ばして!!」


ひえ……急に怒鳴り始めた。

情緒不安定なの？ 一旦落ち着いた方が良いんじゃないかな……？


「それで？ 俺にどうしてほしいの？」

「だから……っ、だから……」

「俺の事をどう思ってようと俺には関係ない。俺は、俺がしたいようにしてるから、君に何を言われても、このスタイルを変えるつもりは無いよ」


悔しそうに下を向く女子。


「……言いたい事がそれだけなら、もう帰っていいかな？ 俺お腹空いてるんだよね」


……反応はない。

何をそんなに考えているのか知らないけど、ホントに帰らせてほしい。ご飯食べたい。


え、これほんとにいつ帰れるの？ 今？ 今帰っていい??


「……私」

「？」

「……私は!! 諦めないから!!!」


……え、どういうこと？

走り去っていく女子の後ろ姿を見ながら、俺は一人頭を抱えた。

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