一緒に【カンタ】 (ページ3)

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それからというもの、来る日も来る日も彼女は俺の前にやってきて、

「橘先輩の様になれるように、こんなことをしようと思うんですけどどうですか？！」

とか。

「富永先輩って、橘先輩のどういう所が好きなんですか？」

とか聞いてきた。

そのやりとりが増えるに連れて、気付けばふたりで富永が好きそうなものとか、富永のタイプの洋服だとかを買い物に出かけたりしていた。

ふたりで作戦会議をしていたある日。

「Aさんはさ…、」

「あの！」

「ん？」

「その、『Aさん』っていうの辞めてもらえませんか？！なんか、年上の方にさん付けされるとムズムズします…。」

「え、じゃあAちゃん？」

「へ！？あ、それでいいです！」

「なんで自分で言っといてなんで驚いてんの笑
んーじゃあ『佐藤先輩』ってのも禁止ね！」

「え？！なんでですか！」

「じゃあAちゃんって呼ばないよー？」

「むむ…じゃあ、寛太先輩って呼びます。仕方ないんで。笑」

「おーいー！仕方ないってなんだよー！笑」

こんなくだらないやりとりの中で、俺は彼女のことが好きなのだと、気付いてしまったのだ。