■紙一重の天秤 ページ5
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愛と憎悪は紙一重であると、誰が言ったんだったか。
恋だとか愛だとか、そこにあるのは何も綺麗なものだけじゃない。殺したいほど好きだとか、好きだから苦しんで欲しいとか、歪んだ感情が愛の裏側にあって、上手く付き合えない奴が身を滅ぼしていく。
愛は盲目、正しくそれだけど。
愛し方と愛され方を間違えた人間が、幸せになれるかどうか。
＿＿＿＿＿＿＿＿此奴は少なくとも絶対に無理だ。
目の前でAを返せだの殺してやるだの喚いて、警備員の手で床に押さえつけられている男は、ついさっきまでこの事務所の備品スタッフだった。
どうもAの様子が可笑しいと思って問い詰めたら、ここ1週間ほどパソコンの仕事用メールに変な文が届いたり、お菓子や花がデスクに飾られるようになったらしく。
PDニムに頼んで監視カメラを確認している警備員に尋ねたら、あっという間にこの男が出てきて、ややこしいサーバーを経由したメールはこっそりと警察に頼んで出てきたのもこの男だった。
テヒョニヒョンの腕の中で顔面蒼白なAの服は少しばかり乱れていて、震えている身体と頬の切り傷から見える赤い血に、怒りでこのクソ男をぶん殴りそうになった。
ちょっと目を離したらこれだ。
休憩室に行く途中に適当な部屋に押し込まれてポケットナイフで脅されているのを、たまたま通りかかったジニヒョンが磨りガラス越しに見て大声を出したから気づけた。そうじゃなかったら？
見た事のない形相で男を殴って離したテヒョニヒョンを見てなかったら、俺も絶対3発はぶん殴っただろう。
これ以上此奴と接触させるのは良くない。
「ヒョン、A連れて帰って下さい。今日はもう帰って」
『っぇ、あ....』
「大丈夫だよA。明日はお休みだし、今日は早く休んで、明日俺も会いに行くから。ヒョンに一緒にいて貰って？」
煩い男の声を遮断するように、Aの両頬を包んで、鼻先がくっつきそうな距離で優しく伝える。
途端にぽろ、とこぼれ落ちる涙と震える吐息が弱々しくて、痛くて。
俺が守れなくてどうするんだよ、と苛立ちが腹底で気持ち悪い。
「.....ジョングガ、ごめん、頼んだ」
「ん、任せて下さい。Aの事は任せるので」
ありがとう、と何処か苦しそうなヒョンが、Aを抱えて消えた。
「あーあ、お前は不幸側だね」
一片の愛もお前に向いてないんだから。
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▲たると▽(プロフ) - すみれさん» ぜひぜひ、どちらにもハマって頂けたら！( *´ `*) (5月18日 18時) (
レス) @page6 id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 私はグクペンなんですけど、テテペンにもなってしまいそうです！ (2023年4月29日 11時) (レス) @page4 id: 1033a80771 (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - めめさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます...！頑張ります！ (2022年9月21日 18時) (レス) id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
▲たると▽(プロフ) - k.nさん» お待たせしました！ありがとうございます！ごゆっくり見ていて頂けると幸いです...！ (2022年9月21日 18時) (レス) @page3 id: 53fe41528b (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 何回も読み直してる大好きな作品です！！！更新楽しみにしてます！ (2022年9月8日 2時) (レス) @page2 id: 657388ff32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▲たると▽
| 作成日時：2022年9月7日 1時
