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目の前で泣き出したこの人は、一体何が悲しくて泣いているのだろうか。


Aにはよくわからなかった。







「俺、自分の親にそんなこと言われたら、って想像したら、絶対耐えられないもん…。あんまりだよ。酷すぎる…」





自分のことじゃないのに、置き換えて考えられるのは自分にはできないところ。

この人はきっと本当に優しいんだ。







「…そんなに泣く?」


「うぅ、泣くよ…。だって、Aが泣かないんだもん」


「わけわかんない」


「泣けないAの代わりに俺がなく…」





泣けないなんて、誰が言ったの。

Aは思わず笑った。







鼻をすする音、震える吐息。

彼が言ったように、今の辛い気持ちを代弁してくれている気がする。









悲しくないわけない。

あんなこと言われてなんとも思わないわけない。


でも、当時の小さいAはなんともないふりをしないとキリがなかったから。

なんともないふりをしないと自分が保てなかった。





そうすることで、自分を守れると信じていた。








「…そっか。泣いてもいいのか」






今、麻痺した心が溶けていく。








横で座ってずっと泣いている隼の体に手を伸ばし、その胸板に顔を埋めた。


隼は何も言わず、そんなAを抱きしめた。







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秋(シュウ)(プロフ) - 青葉さん» コメントありがとうございます!その作品とても好きな作品で、それを読んだ後に作り始めたので影響受けちゃってるかもです…!自然だと言ってもらえて嬉しいです! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 1fb44807fd (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - ちょっと『また、アシタ』ぽくて雰囲気すごく好きです。隼くんのキャラに違和感がなくてすごく自然な作品だなって感じました。更新楽しみにしてますね! (2018年8月13日 23時) (レス) id: fccf92ae33 (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - くれおんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです! (2018年8月13日 11時) (レス) id: 1fb44807fd (このIDを非表示/違反報告)
くれおん(プロフ) - めっっっっっちゃおもしろいです! (2018年8月13日 0時) (レス) id: 99e78605ea (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - 蛍さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります! (2018年8月12日 17時) (レス) id: 1fb44807fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2018年8月7日 21時

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