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小さい頃、親に捨てられた経験がある。
その当時は年齢もまだ幼く、状況を理解しきれていなかった。
しかし、そばに両親がいない寂しさは知らないうちに性格のねじれを助長させた。
施設に入った当初はずっと泣いていた。
寂しかったからだ。
しかし、次第に親に捨てられたことをなんとも思わなくなり、それと同時に大人に対する信頼も無くしてしまった。
何年か経ち、親がまたAを引き取った。
親は罪悪感にでも見舞われたらしい。
そしてそんな両親の腕の中には小さな子供が抱かれていた。
その時、自分の中で何かが壊れた気がした。
「自分が苦しんでいる間、幸せな時間を過ごしていたこの2人が許せない」
それは今でも思い続けていることだ。
今でも家には帰りづらく、別の場所で夜を明かしていることがほとんどだ。
Aにとって家は安らげる場所ではなかったのだ。
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目が覚めて、時計を確認すると夕方の四時を指していた。
少しの間眠ってしまったらしい。
Aは濡れた頬を袖で拭った。
「Aー!やっと起きた!夕飯の買い物行くよ!」
変な夢を見たせいか、この人の笑顔にやけに安心してしまう。
このままその優しさに溺れてしまえれば楽なのに、そう出来ないのは元々の性格のせいだ。
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秋(シュウ)(プロフ) - 青葉さん» コメントありがとうございます!その作品とても好きな作品で、それを読んだ後に作り始めたので影響受けちゃってるかもです…!自然だと言ってもらえて嬉しいです! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 1fb44807fd (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - ちょっと『また、アシタ』ぽくて雰囲気すごく好きです。隼くんのキャラに違和感がなくてすごく自然な作品だなって感じました。更新楽しみにしてますね! (2018年8月13日 23時) (レス) id: fccf92ae33 (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - くれおんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです! (2018年8月13日 11時) (レス) id: 1fb44807fd (このIDを非表示/違反報告)
くれおん(プロフ) - めっっっっっちゃおもしろいです! (2018年8月13日 0時) (レス) id: 99e78605ea (このIDを非表示/違反報告)
秋(シュウ)(プロフ) - 蛍さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります! (2018年8月12日 17時) (レス) id: 1fb44807fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2018年8月7日 21時