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第139話 ページ6

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Aが楽屋から出て行った後、直人が口を開く。

「…なんか、Aかわったな」

そう言った直人の表情は明るかった。

「また、自分で飲み込んじゃうかと思った。平気っていうかと思った」

「ちゃんと、我慢しなかった」


倒れた椅子を直しながら直己がそう言った。


「それくらい怒ってるんだろうけどね」

「でも、前のAなら押し込めてたと思います」


岩田は口元を綻ばせる。

扉の開く音に皆が振り向いた。


「A」

Aはいつもの様子で椅子に座る。

「HIROさん、なんて?」

「本当のことは隠さなくていいし、本当じゃないことはそう言えばいいって。そう言ってくれた」

「…そっか」

「あの人、自分が背負おうとしてる」

「そうだね」


いつもの冷静な瞳がメンバーを見据える。


「HIROさんらしいよね。でも、私はそんなことさせない」

「A」

「HIROさんばっかりが背負わないように頑張るつもり。だから、皆んなにもフォロー、してほしいの」

「当たり前だろ」

「言われなくてもするっての」



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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2018年4月6日 18時

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