第138話 ページ5
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HIROは笑いが収まるとまた前を向く。
「この記事に書いてあることには真実もあるし、そうじゃないこともある。
俺が咎められるのは全然構わない。でも、Aちゃんが悪者に扱われているのは真実じゃない」
「HIROさん…」
「だから、」
HIROはAの言葉を遮る。
「この先、このことを聞かれたとき、Aちゃんは真実は真実だと言えばいい。
そうじゃないなら、そうじゃないと否定したらいい。そうするべきだと思ってる」
「そしたらHIROさんは?」
「初めからこうなることは予想していた。
俺だって良くないことだとはわかっていた。それに、Aちゃんのことも今まで苦しめてきといて、俺には何もないの逆に怖いでしょ」
Aは言葉を飲み込む。
「…わかりました。HIROさんらしいですね」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。Aちゃんにそう言ってもらえると、認めてもらえた気がして」
「…なんですかそれ」
Aは笑みをこぼす。
「感動秘話に変えてやる」
「…さすがだね」
また、楽しそうに笑うHIRO。
「…絶対あなただけには背負わせない。では、失礼します」
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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2018年4月6日 18時