無気力がーる 4 (ページ17)

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第150話ページ17

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「白田さん？」

玲於はバルコニーで風に当たっていたAを見つけ、話しかける。

「あ、佐野さん」

「さっきメンバーが自己紹介済ませたって聞いたので」

2人は向かい合う。

「白田Aです」

「佐野玲於です。よろしくお願いしますね」

淡々と終わった自己紹介。会話を繋げたのは玲於の方だった。

「Aさんこの間すごい騒ぎになってましたね」

「はい。お騒がせしてすみません」

「あ、いえいえそんな。ただ、めっちゃびっくりしました。なんで女子が入ったんだろうって思ってたんですけど、HIROさんの意向だったんですね」

「はい」

玲於はなAを見つめる。
実際にこうして面と向かって話すのは初めてで、テレビで見るよりも美人なんだな、なんて考える。

しかし、それでも口から出る言葉は棘のある言葉。

「そういやダンスも経験がなかったんですよね？」

「そうですね」

「周りがうまい人たちばかりだと浮いちゃいますよね。ダンス大変でしょ？」

「そうですね」

玲於は表情を崩さないAに腹をたてる。
明らかに嫌味を言っているのにさらりとかわされるのが腹立たしい。

「そういやAさんってイメージとなんか違いますね」

「そうですか？」

「だって、敬語使えないんじゃないでしたっけ？」

「はじめのうちはそうでしたね」

「べつに俺年下だしわざわざ敬語じゃなくてもいいんですよ？普段メンバーとタメ口で話してる感じで」

「ならお言葉に甘えて」

Aはにこりと微笑んだ。

年齢は一個しか変わらないのに、やけに大人びたAにすこし焦る。

玲於は攻撃をやめない。

「よく三代目のメンバーからAさんの話聞くんすよ」

「そうなんだ」

「特にリーダー2人はすごい苦労してたみたいですよ？」

「2人はそんな話ししてたんだ」

Aは相変わらず白々しく笑みを浮かべて玲於を見つめた。

「でも、HIROさんもあんな報道が流れて大変だったでしょうね。だって、1人のために事務所全体が揺るぐんですからね」

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