九話目 変化する状況 ページ9
妖怪1>やっと、見つけたぞ…!
妖怪2>今まで、よくも騙してくれたなあ…!!
怒りに満ちた妖怪達。こんな時にと思う中、彼らの狙いは恐らく春澪。そしてそのオマケに三蔵の持つ経文と言ったところ。
こちらの言い分を言う暇もなく妖怪達は走って彼らの元へと襲いかかった。
春澪はそれを受け入れようとしているのか、何もせず動かなかった。
浄>は!?お前!!
すぐ様前に出たのは悟浄で、その後に続いて悟空も出た。
ここでまだ乱闘が起これば眠る八戒も危ない、Aは何とかして彼を抱えようとするけど体格差にそう簡単に動けはしない。
それに気づいた妖怪は大声を上げた。
妖怪3>おい!あいつらを先に殺れ!!
一気に二人殺せるぞ!!
そう言って妖怪達の標的が定まる。
攻撃を仕掛けようとする妖怪達に対して、悟浄の鎖鎌が飛ぶ。
それでも数は多く、悟空や三蔵が攻撃を続けてもキリがない。
ついに二人の元に妖怪達が集まり、逃げ場を失った。
妖怪4>女をよこせぇ!!
そう言って、一人の妖怪が手を伸ばした。
ここで刀を抜けないAはただただ八戒を守ろうと覆い被さるようにした。
けど、すぐにそれは引き剥がされてAのみが捕まった。
主>……っ……!
妖怪5>おらあ!!人質を取ったぞぉ!!
てめぇら、武器を下ろせ!!
興奮状態の妖怪はAの首の近くに刃をり、強気の声を上げた。
声をあげる必要は無い、こんな事態はよくある事。
でも、今は倒れたままの八戒の方が気がかりだった。
悟空達も流石に動けなくてその場で固まる。
春>……待て。
そしてその沈黙を春澪が収めようと前に出てきた。
春>お前らの狙いは俺だろ。
その人は関係ない…離してくれないか。
妖怪1>はあ?それではいそうですかって言って離す馬鹿がいるかよ?
とっとと武器を下ろせ!さもないとこいつに傷がつくぞ!!
首元の刃はそのままさらに近づき、肉に触れる。
つー…と刃は顔に触れ、冗談ではないと訴えてくる。
興奮気味だからこそ、無闇矢鱈に動けないし話も出来ない。
妖怪2>そんなやつこうしてやればいいだろ!?
そう言って妖怪はAの腹に蹴りを入れた。
勢いのあるそれに一瞬息が出来なくなる。
そしてその拍子に触れていた刃は、彼の体制を崩し、肉を裂く音をさせた。
首の刃が、本当に首元を傷つけた。
すぐに血が飛び、彼らの前にいた人はその場で倒れた。
その場がしん、として…空気はまた一変した。
彼が、起き上がった事で。
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作者名:霜月 | 作成日時:2023年5月7日 15時