【最遊記】５００年の約束＿初恋＿ (ページ4)

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四話目５００年越しの想いページ4

身体が自然と動き、彼の元へと抱き着くA。
彼の温もりを感じ涙が止まらなかった。
彼もAへと手を回し、互いに抱きしめ合う。
あの日から５００年、約束をしてどれだけの時間が経とうとこうしてまた会えた。

夢なら覚めて欲しくないと願う程に。

八＞「お久しぶりです、清華。」

主＞「…ずっと、会いたかったです…っ…。」

八＞「僕もです。５００年経っても変わらず…いや、５００年前よりも貴方を愛おしく感じられます。」

主＞「…っ…！」

恥ずかしさで離れようとしたけど、そうはさせてくれなかった。
彼はにこりと笑っている。とても嬉しそうに。
幸せに感じるこの時間、けれど無限ではない事を忘れるわけにはいかない。

主＞「…天蓬様、私…。」

八＞「これ以上は言わないでください。」

そう言ってAの唇へ人差し指を当てる。
優しい声なのに、彼女が言おうとしていたことを分かっていた。
何度同じ事を言われても答えは変わらない。

八＞「こうしてここにいられるのは、貴方を助けられるチャンスなのだと分かりました。
僕の進む道ももう決まっています。
やっと、５００年前にした約束を果たせるんですから。」

主＞「…天蓬…様…。」

八＞「清華。」

Aの髪を耳にかけ、そのまま頬に手をやる。
優しく触れるその手にAは心地良さを感じ、擦り寄るように目を閉じる。それが何の合図かなんて決まってしまう。

彼も男だ、そのチャンスだって逃すわけがない。

八＞「もう二度と貴方から離れません。
今度こそ、ちゃんと言わせてください。

清華……いいえ。A。

貴方を、誰よりも愛しています。
僕と一緒に、生きてください。」

そう言ってから重なった温もり。
優しいのに、そこには離すものかと強い意志を感じる。
それは彼女も同じで、あまりの嬉しさから涙が溢れていく。
もっと触れたい、もっと感じたい。

それは、嘘の無い彼女の本心だった。

主＞「…私っ……。」

もう我慢出来ない、彼に生きて欲しい。
そしてその隣に、私が立ちたい。

そう思えば、また風が吹いた。
わかっていたんだ、もう私…自分にはこの答えしかない。

目を閉じ、次に開いた時そこにいたのは…今最も愛おしく感じる人。

主＞……あなたと、一緒に……っ…いたい…！！

自分も…貴方を愛しています……八戒…っ…！

泣きながら出た答え。
嬉しそうに笑ってくれた八戒のこの顔が、今最もAの望んでいたものだった。