【最遊記】５００年の約束＿初恋＿ (ページ14)

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十四話目華の神の覚悟ページ14

あの時、春澪さんが肩に触れた瞬間身体から何かが抜かれる感覚があった。それと同時に、身体は重くなって意識が遠のいた。

何が起こったか、わからないまま…夢を見た。

ここはどこだろう、なんて考えなくてもわかる。
見覚えのあった大きな扉。その先にいるのは、家族であり今日をもって別れを告げなければならない人がいる部屋。

なのに、その扉の前には人がいる。

男＞美しさは有限、それをあなたはよく知っているでしょう。
華のように美しい神、なのに内面は華を駄目にする虫。
しかし、今の貴方は違う。その身体の模様は、美しさの証だ。

そんな言葉と嫌味を込められ、華の神清華の前には一人の男。
彼にも身体に模様があった、それは先程まで見ていた春澪にあったもの。

つまり、元の｢呪い｣の持ち主ということになる。

男＞貴方は、『聖印』を理解していない。
その美しさがあれば、貴方はお父上よりもはるか上にいける。

あの闘神にも勝る神になれるのですよ。

清華＞…この｢呪い｣がある事で、長生き出来ないんですよ。
私には時間がありません、だからこそ私は私のするべき事を全うします。

男＞時間がない、なら尚のことその力を利用してどう動くべきか考えるべきですよ。
貴方は華の神、『聖印』に選ばれた無限の可能性を秘めた神。

そんな無意味な事をなさるのなら、私にくださいませんか？
貴方の美しさは、私が永久に守り抜いてみせますよ。

譲れば何か変わるのか、分かりもしないことにはいそうですかと言うはずもない。
それに先程からその人は清華を華の神としてでしか見ていない。
周りの者もそうだった、美しい彼女に向けていたのは華の神だからこそある美しさ。
近寄り難いようなその見た目と真逆のような性格。

しかし、彼女にとって大事な人達は見た目やその噂に囚われず、彼女の事を知ろうとした。
優しくて、強くて、最後の夜に交した約束を守ろうと誓ってくれた。

男＞『聖印』を纏えるのは、華の神でありその美貌を持てる貴方だけなんですよ。
それなのに、何故命を軽々と捨てられる。

清華＞軽々、というのは語弊があります。

私は、彼らといたいからここに来ました。

その言葉の意味が理解出来てない男は何を言っているという顔をしていたけれど、彼女は嬉しそうに笑ってそのまま足を進める。

いくら何を言われても答えは変わらない、彼女が進む道はたった一つ。

清華＞ここを開けなさい、私は天帝に用があります。