" ページ42
「今はどういう状況だ！？」
「あ！グルッペンッッ！！蘇生がっっ上手くいかないの！」
髪はグチャグチャで、服はなんとも惨めなパジャマ姿で登場した、グルッペンの方を向く。
「覚えていたやり方で、頭を触ったんだけど……」
「…………」
黙っていることからして、察した人は察したのだ。
「………………クッ」
「コネシマ、我慢しようや。まだ、まだ、分からへんよ」
「そんな事言ったって、コネシマはもう」
「俺も、…………分かってる」
「しゃおちゃん………っ！」
「……もう、無理やねん。手遅れやねん。俺も分かっとんねん。」
「でもっっ！！」
「俺達まだ」
「まだ……」
「……」
「…………」
「…………」
もう、誰も何も言わなかった。皆黙ってしまったのだ。そして、沈黙の後口を開いたのはグルッペンだった。
「………蘇生の方法はそれであっている……………」
グルッペンの声が、ここにいる全員の胸を突き刺す。いわば、とどめを刺した。
「え、な、なら何で……！」
なんで蘇生しないの……！？
「……もう、死んでから１分以上経っているのだろう………」
「そんな………」
死んだのに生き返らないなんて、そんな、そんなのって……。
私がいる意味って……。
「俺らがおかしいんかッ……？なんでゾムが死ぬんだよ！なぁ……！」
「なんで……ッッ！」
なんで私の魔法が効かないの……？
さっきまで堪えていた感情が、皆爆発している。もちろん私も爆発していて、自分の存在意義に疑問を持ち始めた。
「なんでこうなった………」
「ゾム………」
「諜報活動をさせなければ良かった………！」
あぁ、”うるさいな〜”なんて思わずにもっと早く起きれていたら………！
過ぎてしまった事は遅いが、あぁしていれば、こうしていればと後悔する。時は何で戻れないのだろうか。
「もうちょっと早く気づけていれば……！」
「………シッマ…！」
この金髪の人がゾムさんの死体の第一発見者なのだろうか、一番に見つけたからこその後悔があるのだろう。その後悔は人１倍大きいと予想できる。
「………俺、ゾムからの最後の伝言を聞いてるんよ」
「……本当か…？」
グルッペンの返しもあり、金髪の人(コネシマさん？)へより視線が集まる。……いや、涙目でそれは、ぼやけた視線だったけれど。
視線を向けられたコネシマさんは、意を決したような深刻そうな顔をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れもんごはん - イチゴさん» ありあとうございます！応援していると言われてとても嬉しいです！ (1月31日 6時) (
レス) id: eaf58a5fc1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - コメント失礼します！！面白かったです！！更新頑張ってください！応援してます！ (1月30日 16時) (レス) @page10 id: df6b50726d (このIDを非表示/違反報告)
れもんごはん - こばさん» ありがとうございます。１日１更新以上頑張ります！ (1月27日 9時) (レス) id: 2a69315616 (このIDを非表示/違反報告)
こば - 最初の説明のところで「ラーメンを一緒に作ってください....」という言葉が面白すぎてやばいです。更新待ってます！ (1月27日 8時) (レス) @page2 id: 471b61655b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れもんごはん | 作成日時：2024年1月26日 17時
