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「えっ……」
あのゾムさんが? この国の軍で1番強かった彼が死んだ? そんなこと有り得ない。だって、あの人は強いんだから。
でも、もし本当にそうだとしたら……。
その真相を知るために、城の門まで急ぐ。
「何これ……!」
門の前まで辿り着くと、夜だというのに大勢の人々がいた。その中には一般兵もいて、皆悲しんだり心配したりしていた。
しかも、奥の方まで人だかりがある。
「どんだけあるんや!」
国民達もなんだなんだと、ざわめいている。
「早く行きましょう!」
まだ間に合うはず。
オスマンさんの手を引いて、人だかりをかき分けた。
「邪魔や!!」
「どうかどいてください!!」
声を出しながら人だかりに突っ込む。
「オスマン様のお通りだ!!」
「道を開けなさい!!」
「どいて!」
「押さないで!」
幹部であるオスマンさんがいることが大きいのか、皆、私達に道を譲ってくれた。
幹部ってスゲェぇぇ!
奥の方まであった人だかりが消え、みるみるうちに道ができていく。
「これで早く行ける……!」
でも、視界が晴れたからこそ分かったことがある。
それは、人だかりの中心部まで300mはあるんじゃないかくらい遠いということ。でも今は、走るしか解決方法がなかった。
運動音痴だが、全力で走る。
「はぁ、はぁ……!」
「Aちゃん。Aちゃんしかゾムを助けられへん!!もう少しの辛抱や!」
「Aさん、頑張ってください……!」
「あと少しでっ……!!」
他の幹部さんたちも来ているようで、後ろから声が聞こえる。
「着いた………!」
そして私はついに人だかりの中心部に到着した。
ゾムさんはぐったりと倒れていて、苦しそうに胸を押さえながら死んでいた。
「フュぅぅぅ」
死体を見るのが初めてで、精神が異常になりながらも蘇生を始める。
えぇ〜と対象者の頭を触る………んだっけ。
まさかこんなに早く使うとは思わなくて、記憶の奥にしまってあった蘇生の方法を頑張って思い出す。
生き返れぇぇぇ!!
ゾムさんの頭を触った。
「え?なんで……え?」
ゾムさんはなんと蘇生しなかった。
「……まっまま、方法が違ったっていう可能性もあるから…………!!」
私の記憶がクソだったっていう可能性が十分にあるから………!
この可能性は、私の、他の幹部の精神を壊さないための、一筋の希望だった。
ーーー
更新クソ遅くてすみません(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
れもんごはん
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れもんごはん - イチゴさん» ありあとうございます!応援していると言われてとても嬉しいです! (1月31日 6時) (レス) id: eaf58a5fc1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - コメント失礼します!!面白かったです!!更新頑張ってください!応援してます! (1月30日 16時) (レス) @page10 id: df6b50726d (このIDを非表示/違反報告)
れもんごはん - こばさん» ありがとうございます。1日1更新以上頑張ります! (1月27日 9時) (レス) id: 2a69315616 (このIDを非表示/違反報告)
こば - 最初の説明のところで「ラーメンを一緒に作ってください....」という言葉が面白すぎてやばいです。更新待ってます! (1月27日 8時) (レス) @page2 id: 471b61655b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもんごはん | 作成日時:2024年1月26日 17時