警戒せず、得られず ページ36
「ふぅ〜。これで聞き込みは終わりやな」
飯国の街中で呟く。
今日までのおよそ2日間、我々国の特殊部隊として俺は戦争相手の飯国の情報を入手していた。
手に入った情報はつまらないものばかりで、特にめぼしい情報は得られなかった。
「ま、そうだとは思ったけど…」
ーーー2日前
『情報を分析するに、飯国は我々国のことを警戒してない。だからこそ、行ったとしても情報は得られないやろ。…我々国に情報がバレたとしても勝てると飯国は思ってるんや』
『でも、こちらからしたら好都合。
こちらはなんの聞き込みもしないのだから』
『俺達の強みは数と地力。それを最大限活かすためには先制攻撃をされてはいけないんよ。
この戦争は先に攻撃した方が負けるといっても過言ではない戦争や』
『相手のことを知るための情報を手に入れることより、先制攻撃をされないか、気をつけたほうがいい。これが飯国との戦争に勝つための基本的な考え方や』
『………一つ気になる点があるとすれば、”飯国の軍関係者が我々国の情報を少しでも仕入れているのなら、なぜ俺達の圧倒的な数の暴力が知れ渡っていないのか”ということやな。普通は俺たちのことを警戒するはずなんやけど……』
『まぁこういう事から飯国が我々国を警戒しない理由は、2つやな。
1つ、我々国の情報を入手していない。
2つ
飯国には既に、俺達の圧倒的な数の暴力にも勝てる《作戦》がある──ということや』
ーーー
「って頭のいいトントンが言ってたんだよな〜」
俺が我々国から出る前に教えてくれた情報。
”情報は得られない”
まさにトントンが言ったその通りで、手に入った情報は
・飯国の総領の好物は魚
・2丁目にある酒場はまずい
・あそこの地域は治安が良い
などなど、戦争に関連しそうな情報は全く持って得られなかった。
「あぁ〜無駄な時間過ごした〜!!」
現在の時間は午後11時、街には誰一人見当たらない。
…帰るか。
何日間聞き込みをしてもそれらしい情報は得られないと分かったし、もうここにいる意味もないやろ!
そう考えた俺は我々国に続く道を歩き出した……。
ガサッッッ
「!!??」
俺は殺気を感じ、サッと草むらの中に隠れる。
「……」
じっとしていると、視界の端に人影が見えた。
どこの国や?
そう考えているうちに人影が見えなくなったので、また歩き出した……が。
ガサガサッ!
「!?!??」
また草むらに人影が見えた。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れもんごはん - イチゴさん» ありあとうございます!応援していると言われてとても嬉しいです! (1月31日 6時) (レス) id: eaf58a5fc1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - コメント失礼します!!面白かったです!!更新頑張ってください!応援してます! (1月30日 16時) (レス) @page10 id: df6b50726d (このIDを非表示/違反報告)
れもんごはん - こばさん» ありがとうございます。1日1更新以上頑張ります! (1月27日 9時) (レス) id: 2a69315616 (このIDを非表示/違反報告)
こば - 最初の説明のところで「ラーメンを一緒に作ってください....」という言葉が面白すぎてやばいです。更新待ってます! (1月27日 8時) (レス) @page2 id: 471b61655b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れもんごはん | 作成日時:2024年1月26日 17時