愛だけしかない《赤》-４-

#１８５ ページ35

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ーA sideー


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ママと、パパと、すばるくんと


4人でお夕飯なんて、変な感じ…



何年ものブランクはあるけど、もう気まずさはほとんどない。


それより、ちょっとわたわたしてるすばるくんがかわいい！




お父さんにお酒注がれて申し訳無さそーにしたり


お母さんの料理に無駄に美味しい美味しい言いまくったり


言葉遣いもいつもより丁寧だし。



そーいうとこで


あー、私の両親とも仲良くしようとしてくれてるんだなって


また、すばるくんの愛が伝わってきて、嬉しい。



「じゃあね、」


「お邪魔しました、ほんまありがとうございました」



明日は早めの新幹線だから、余り遅くならないうちに帰る。



「A、もうちょっと頻繁に、帰ってきなさいね」


「はーい」


「仕事頑張れよ。」


「はいはい」


「頑張りすぎて身体壊さないようにね？」


「もー、わかったよ(笑)」



５年の時間は取り戻せないけど


これからはちゃんと親孝行もしなきゃなー、



「渋谷くんも、またいつでも来てね。」


「え、あ、ありがとうございます」


「ご実家関西でしょ、うちは関東の実家だと思って？」


「…はい、」


チラッと目をやると頰が緩んでるのがわかる。


「あと、お母さんって呼んでくれてもいいのよ！ね、パパ♪」


「え、まあ、そうだな(笑)」


「すばるくんの場合おかんとおとんじゃない？」


「それいいわね！新鮮！」


「えー…いいんすか？えぇ…ありがとうございます、ほんまに」



「じゃあね、ばいばい！」



「失礼しますぅ」



見送る2人を背に車に乗り込んだ。



発進させてからも、すばるくんは黙ったまんま。



「…すばるくん、色々ごめんね」


「…なにが」


「色々！ごめん、あとありがとう！」


「そんなん…俺の方がやわ」


「なんで？(笑)」


「Aと結婚したいから気に入ってもらわな、としか思っとらんかったんに、」



言葉はそこで止まった。




「…すばるくん、今めちゃくちゃ良い顔してるの自分でわかってる？」


「うっさいわ、今くらい黙っとれ」


「うわーそんなこと言うんだ、ママたちにあとで愚痴ろ」


「や、嘘やって！ほんまやめて！

…あー、こーやってAに脅されるの増えていくんか…」


「ちょっと、人聞き悪いこと言わないでよ(笑)」



パシッと肩を叩くと、無駄に痛いわー折れたわ〜とか言ってくるからもう一回殴る。



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