第23話 ページ24
耳鳴りのような音が目から感じる。辺りの視界は赤く染まり、ターゲットを集中的に感知して追う。ヒマワリちゃんのチャクラの気配は話しかけられたあの日に覚えた。
明眼遠を実戦で使うのは初めてで、この後に何が起こるかはわからないが形振りかまってられない。
チャクラを。目に。全て。込めろ。
力強く目にチャクラを宿す。森の奥深く。何かの結界が貼られている薄闇の洞窟に気を失ったヒマワリちゃんを発見した。何か、腕に付いてる……?
「見つけた。この先。東に真っ直ぐ進んだ森の奥の洞窟。ヒマワリちゃんの腕に、何かついてる。形状不明」
淡々と機械のように説明するしか余裕はない。
あまりにも忍情勢に詳しくないから、敵が何の目的で動いているのかはわからない。けれど、そこは
七代目達を誘導するように前を飛ぶ。スピードをもっと上げたいところだが、このまま突き進んでもチャクラで完治されてしまう。
「地下室の入口がある。石版に、血を、流し込んでる」
「まさか……」
七代目やシカマルは相手が誰かわかったらしい。私達にわかりやすいように簡潔に説明してくれた。曰く、若い娘、いずれ力を持つような子供を狙った犯行。しかも大体名のある忍の家系から選ばれているらしい。今はまだ忍術を使えないような無抵抗な子供を中心にしたもののようだ。それ以外は情報が入ってきていないらしく、他の攫われた子達が生きてるのかも不明とのこと。
ズキズキと痛む目を凝らしながら話を聞く。木の葉だけで無い犯行か。ならば、他里の忍もきっといるはずだ。
「ぜってぇヒマを連れ戻す!!」
ボルトの声にチラリと後ろを振り向く。眉間に皺を寄せて悔しそうに唇を噛み締めているボルトは本当に家族想いの優しい子だ。ボルトの悔しさも怒りも無鉄砲さも全てわかっている七代目は少しだけ柔らかく笑みを浮かべた。
「あぁ。必ず助けるぞ」
「おう!」
七代目の言葉に強く返事をしたボルトに焦りはない。いつものボルトだ。シカダイも安心したような表情をしているから良かった。
「地下の、子達は、無事……」
割れるように頭と目が痛い。最後の力を振り絞るように目を凝らして告げた声は無事に届いたようで、七代目達のスピードが上がった。もう少しついて行きたかったけど、体から急速に力が抜けていく。
「ごめん……あとは……」
言いたかった言葉は音にならずに異変に気がついたシカダイの焦った声だけが耳に届いた。
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レナ - こんばんは、体調は大丈夫ですか?更新頑張ってください! (5月3日 19時) (レス) id: 9d52581983 (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - レナさん» 嬉しいです、ありがとうございます!!更新頑張ります! (3月8日 22時) (レス) id: 37ed0d3f16 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 更新ありがとうございます!これからもこの作品を楽しく読んでいきます、お疲れ様でした! (3月8日 22時) (レス) @page24 id: 9d52581983 (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - レナさん» 心配をおかけして申し訳ないです……。遅くなりましたが更新させていただきました!楽しみに待っていただき本当にありがとうございます! (3月8日 22時) (レス) id: 37ed0d3f16 (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - ユキさん» 遅くなってすみません!更新させていただきました!楽しみにしていてくれてありがとうございます! (3月8日 22時) (レス) id: 37ed0d3f16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清水ファンタジア | 作成日時:2023年3月31日 18時