雪柱 ページ19
今日の鬼は気味が悪い。
『君可愛いねー!』とか『彼女になってよ!』とか、チャラい鬼。
ただ実力は相当で『上弦』『弐』とかかれた瞳はその強さを現していた。
ただ強い鬼ほど体を流れる力の動きは読み取り易い。
鬼が攻撃体制をとったと同時に防御体制に入れば問題ない。
?「今まで出会ってきた鬼狩りの人よりも強いねキミ、名前教えてよ!」
(人1)「雪乃美夜(人1)、雪柱よ。」
童魔「俺は童魔、上弦の弐なんだ〜。キミは強いし可愛いから殺すのがホントに惜しいくらいだよ、だからさ………!」
童魔の鉄扇と日輪刀が合わさりジリジリと火花が散る。
童魔「猗袈座殿みたいだけど鬼になってくれない?」
(人1)「御断りよ!!」
童魔「それは残念だ、なら俺が食べてあげるよ!」
童魔と距離を取って体制を低く構える。
(人1)「雪の呼吸、伍の型 雹豹疾走!!」
童魔の背後を取って頚を狙う。
しかし間一髪のところで扇子で防がれたうえに雹の豹まで粉々にされた。
童魔「キミ凄いね!もうちょっとで頚が落とされるかと思ったよ!」
さっきからニコニコニコニコ気持ち悪い。
(人1)「さっさと頚を差し出せ!!」
童魔「え〜、嫌だよ?………もう日の出みたいだからまた今度ね!」
山の奥が白んできた。
せめて一太刀浴びせたいと日輪刀を構えた瞬間日輪刀の刃先がバキッと音を立てて折れた。
童魔は最後まで気持ち悪いほどの明るい笑みを保ったまま別れを告げた。
……まぁこの村の犠牲者が出なかっただけましとしておくか…。
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作者名:シャルロット フレーズ | 作成日時:2020年12月1日 23時