参拾 ページ31
休憩が終わると隊士達は脱兎のように山の中へ消えていった。
柱稽古に訪れる前の道のりで天元の事を『背が高くて御顔だちも素敵でイケメンよね』とか話してキャーキャー言ってた女子でさえ血相を変えて走っていたほど。
後輩隊士にとって今の天元はまるで鬼のように見えるだろう。
天元「これ以上遅いと30本追加するぞ!!嫌なら走れや!!!」
山のあらゆるところから天元のしびれを切らした声と隊士の悲鳴が聞こえてくる。
夕刻には50本走りきった隊士が地面を埋め尽くすように倒れ込んでいた。
天元「ハァー、みっともねぇ地味な奴等だ!!おいこら、日がくれるし起きねぇと鬼の餌になるぞー?俺等はもう帰るから適当に帰れよー。」
小脇に竹刀を挟みヒラヒラと手を振って自分の屋敷に向かい出す天元。
もう帰る気満々で後輩なんて気にもとめてないらしい。
基本後輩思いな天元だけどこういう適当なところが致命的だ。
その晩、月と星を眺めながら休んでいると後ろから抱きつかれた。
こんなことするのは天元しか居ない。
(人1)「天元、バレてるからね?それに、今日は甘えたがりさんなのね。」
あの昼間の天元はどこへやら、まるで子供のようにべったり引っ付く天元。
肩にのせられた頭を優しく撫でるとまるで子猫が甘えるように更にすり寄ってきた。
大きな体の子供のようね。
仕方ない、今日は甘えさせてあげるか………。
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三月の専属ストーカーなつめみく - あぁ好き (10月21日 22時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャルロット フレーズ | 作成日時:2020年10月24日 2時