宇随の四人目の嫁は星柱 (ページ14)

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拾参ページ14

炭治郎達に修行をつける日もあっという間に過ぎ送り出して数日、あの煉獄杏寿郎が殉職したと烏から聞いた。

そう言えば昨晩急に杏寿郎の生命の波動が途絶えたと思ったが、まさか死んだなんて。

杏寿郎は私にとってお兄ちゃんのような存在だった。

『杏寿郎、お前は何故戦いに身を置いている？お前は人間、私のような兵器では無いのに。』

『俺が戦うのは鬼を倒した先に明るい未来があると思ったからだ。たしかに人間である以上命懸け、それは鬼殺隊、柱であるからには当然だ。』

『杏寿郎は私が怖くないのか？』

『鬼人というのははじめて聞いたがどう見ても君は人間だ！君は兵器なんかではない、誰が何を言おうと！」

『杏寿郎、笑うとは何だ？』

『杏寿郎、悲しみとは何だ？』

『杏寿郎、もし仲間が死んだらどんな気持ちになるんだ？』

仲間の死を痛む暇があるなら殺せ、兵器に感情は必要ない。

里で散々言い聞かされた。

でも杏寿郎がそれを否定してくれた。

杏寿郎が私を人間らしくしてくれた。

色々なものを見せてくれた聞かせてくれた、教えてくれた。

杏寿郎の明るい笑顔が頭のなかで巡る。

その笑顔を失った喪失感でひざから崩れ落ちて泣き叫んだ。

もし私が増援に行っていれば杏寿郎が死ぬことは無かったというのに！！

まだ息のある内に私の血を杏寿郎に与えていれば助けることがデキタノニ………！！

杏寿郎の鎹烏が飛んで来た。

杏寿郎がいつも身に付けていた羽織を渡してくれた。

【形見ﾄ思ｯﾃ持ｯﾃ居ﾃ欲ｼｲ、ｱﾄ自分ﾆ自信ｦ持ｯﾃ生ｷﾛﾄ言ｯﾃ居ﾀ】

ありがとう、杏寿郎………！！

私もそっちに逝ったらまた笑って話そうね………。