【SLH】世の中綺麗事だけじゃない【蓬菊】【短編集】

☆愛情表現(紫×黄) ページ9

ハネルサイド

ハ｢カナター？｣

カ｢んー？｣

ハ｢カナタはさ、僕のこと好き？｣

カ｢うん。｣

ハ｢そっかー｣

再び沈黙が訪れる。僕はカナタの彼女？なんだ
けど、カナタってあまり愛情表現とかしないん
だよね…いつも僕からって感じで、たまにだけど
すごく不安になったりもする。

カ｢何、突然どーしたの、｣

カナタはタバコの火を消して、僕の隣に腰掛け
た。興味深そうに僕の顔を覗いてくる。

ハ｢え？い、いや？なんとなくだよ？｣

カ｢ふーん…｣

そう言い残してカナタはみんながいる部屋に戻
った。なんだろ、寂しいのかな…？カナタは僕の気持ちを、決して探らない。

ハ｢はぁ…｣

そもそもだ。男を好きになってしまった僕も悪
い｡まさか幸せな方向に話が進むなんて思っても
いなかった｡だから覚悟がなかったんだと思う。

『俺も好きだよ、ハネルのこと。』

素直にそう言ってくれたのが嬉しかった。でも
カナタは恋愛感情の方での好きとは言っていな
い。僕もそれは言えていない。もしかして、僕
が一方的に勘違いしてるんじゃないか。そう思
うと辛くて…涙が零れてきた。

ハ｢もー…｣

辛くて仕方がないから机にうつ伏せになる。す
ると突然、カナタの匂いがした気がした。

ハ｢上着…？って、カナタ…！？｣

カナタは黙って俺の後ろに立ち尽くしていた。

ハ｢い、いつから！？｣

カ｢ため息ついてたぐらいかな？｣

結構最初じゃん！気まづくて目を泳がしている
と、僕はカナタに抱きしめられていた。

カ｢ごめん。気づけなくて。｣

ハ｢え…？｣

カ｢俺さ、愛情表現が下手くそなんだよ。だか
らハネルに悲しい思いさせてた。ごめん。｣

ハ｢じゃあ…カナタは…僕のこと好き…？｣

カ｢うん。大好き。俺の彼女として。｣

俺の彼女。そう言われた瞬間、恥ずかしくなっ
て顔が赤くなっていくのが自分でも分かった。

カ｢あ、耳真っ赤…笑｣

ハ｢だって…それはずるいんだもんっ…｣

さっきまでの不安が、まるで嘘のように消えて
いく。好きでよかったって｡心の底から思えた｡

カ｢いまはメンバーいるし、あれだけど…｣

ハ｢…？｣

顔を上げるとすぐ近くにカナタの顔があって…
お互いの唇が触れていることに気づいた。

カ｢夜は構い倒してやるから。｣

ハ｢…っ！？｣

耳元で囁いてくるあたり、彼はずるい人です。

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更新遅くてすみません！あとアナタシア様は
なんか難しくて…SLH様が多い気がする！！

☆★上下関係？(青×赤)→←★愛し合わないと(黒×赤)※リク

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