【SLH】世の中綺麗事だけじゃない【蓬菊】【短編集】

★偽りの自分(黒×桃)※リク ページ38

RYOサイド

K｢何で2人きりで飲み行ったん｣

R｢いやー…あの、｣

俺の恋人は狂っている。そもそも男同士で付き
合っている時点で狂っているのかもしれないけ
ど。でも俺らは愛し合っていた。はず…なのに。

K｢俺に黙って2人で酒飲むとか有り得へんわ｣

初めはこんなはずじゃなかった。なのに、どこ
から彼は狂ってしまったのか。いや、もともと
狂っていたのかもしれない｡気づかないだけで。

R｢ね、ねぇカラス。最近変だよ…？｣

K｢何、口答えするん？俺に？｣

光のない瞳が俺を見つめる。その目はいつもの
カラスじゃない。大好きだったはずのカラスは
もうここには存在してないことを表している。

K｢りょーくん。｣

R｢なんよ、んむっ｣

嫌々カラスの方を向くとカラスの唇が当たる。

K｢お仕置き…必要やな？｣

俺に逆らうことは許さへん。そういうところ。
俺は嫌いだ。けど、否定なんて許されない。






R｢嫌っ…やめて、からすっ｣

K｢まだ口答えする元気あんねんな｣

手首はきつく紐で縛られて、今は首を絞められ
ている状態。どうしてこうなった？どこで…
俺は、選択肢を選び間違えたんだろうか。

R｢ごめんっ、ごめんな、さいっ…｣

K｢…いい子やね。｣

満足そうに首から手を離して、その手は俺の頬
に触れた。触れられることすらも怖い…。

K｢りょーくんからちゅーしてよ。｣

俺は小さく頷いてから、カラスの唇に触れた。
誰かに助けて欲しい。けど、求められない。

K｢りょーくん、上手になったね｣

楽しそうに俺の頭を撫でるカラス。その表情は
以前俺が好きだった表情。でも今は、俺を恐怖
に落とす狂気じみた表情だ。

K｢今日はりょーくんが上やな。｣

R｢え｣

俺の口は素直だ。感情がそのまま言葉にでる。
それを察したカラスの瞳は怖かった。

K｢りょーくん。俺の言うことは？｣

R｢…絶対。｣

K｢そーやな？分かっとるやろ？｣

俺はカラスの上に跨った｡否定できない俺も俺。
でも、望むなら…普通に愛されたかったなぁ。

K｢…りょーくん？何で泣いとるん？｣

俺の涙がカラスの胸元に落ちた。普通に愛され
たい。以前の俺らに戻りたい。そんなこと、口
が裂けても言えないけどね。だから俺は…

R｢ううん。何でもない。｣

本当の感情を飲み込んで、偽りの自分を演じ続
ける。それが俺の使命なんだから。


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鳰原 海結さんリクエストです！
主従関係…というよりは束縛に…
しかもなんか暗い()

★喧嘩するほど(黒×赤)※リク→←☆意地悪(緑×桃)

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