【SLH】世の中綺麗事だけじゃない【蓬菊】【短編集】

★サンドイッチ続(青×黒)※リク ページ19

SHIRAHANサイド

俺が狂っている。そんなこと分かっていた。ま
さか自分でも、こうなるなんて思ってもいなか
ったし。俺ってこんなに独占欲強かったっけ？

S｢カラスくん。｣

K｢…なぁに…｣

カラスくんの腕からつたっている赤黒いものが
とてつもなく綺麗に見える。でも今日は昨日よ
りも意識が遠のいているように見えた。

S｢綺麗だよ、｣

K｢しらはんが…創り出したからね…｣

俺の腕にある傷と同じ傷をなぞりながら微笑を
浮かべるカラスくん。この前までは怯えてたけ
ど今では、この状況を楽しんでるように見える｡

K｢今日は…？なにすんの…？｣

S｢カラスくん、楽しそうやね｣

K｢俺も溺れとるんかもしれんなぁ…｣

愛おしそうに手錠と足枷に触れるカラスくん。


『こんな俺でも…スキ…？愛して…クレル…？』

この時から狂っているという意識はあった。そ
してこんなことをしてしまっている現実を…カラ
スくんに助けてほしかったんだと思う。

K｢うん。俺モっ、愛してルヨ…？｣

そう返事が返ってきて正直驚いた。まさかこの
考えを認めてくれるなんて思っていなかったか
ら。でも俺はそれが嬉しかったんだ。



K｢…しらはん…？｣

S｢…っ…？｣

突然名前を呼ばれて我に戻る。カラスくんは物
欲しそうな目で俺を見つめていた。

K｢苦しい…？辛い…？｣

S｢…うん。もう分からない。｣

涙が俺の頬を伝う。こんな愛情表現…おかしい。

K｢しらはん…。｣

カラスくんは弱々しく俺のことを抱きしめた。
俺の血の匂いとカラスくんの血の匂いがする。

K｢確かに、この愛は狂っとる。それくらい俺も
知っとるし。でもしらはんに愛されてるなぁっ
て思うんよ。だからその愛は嬉しいんや。｣

S｢…嬉しい…ほんとに…？｣

それがカラスくんの優しさなんだって、分かっ
ていても甘えたくなってしまう。

K｢おん。こんなことされても…好きやで…？｣

口に温かい感覚。でも普通の温かさとは違う。
俺が今感じているのは優しい温かさ。普通の人
からしたら…カラスくんの唇は相当冷たい。

S｢カ…ラス…くん…｣

K｢…俺モ…愛シテンデ…？シラハンモ…ヤロ…？｣

S｢カラスくんの方が…よっぽど狂ってるよ…笑｣

周りから見たら狂った愛情かもしれない。でも
俺とカラスくんにとったら、1番幸せな結果だ｡

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桜吹雪さんリクエストです！
タイトルから想像がつかない結末に…
黒さんの方が染まっちゃったね…

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