【SLH】“愛情”なんて｡

嫌な予感 ページ31

芝健サイド

今日はアナタシアフルメンバーでの練習！

1つの通しをしていた時､それは起こった。

まり｢？…誰かのスマホ鳴ってね？｣

ま｢…あっ、ほんとだ。しかも電話じゃない？｣

よく聞くとその着信音は私のスマホだった。

芝｢A？｣

名前を呼ぶとすぐにAの声が聞こえてきた｡

ただいつもよりも焦り？恐怖を感じてるような…

その予感は嫌なほど的中した。Aは何かに

怯えている。そしてパニックを起こしている。

芝｢今行くから待ってて！！｣

電話越しで小さく反応してくれた。私は電話を

切って、持ってきた荷物をまとめる。

ま｢何か…大変なことが起きてそうだけど…｣

芝｢Aが…パニック起こしてる…｣

Aの状態を伝えるとメンバーは驚いていた｡

ハ｢…その原因も分からないの…？｣

全員が心配そうな顔をしていて…不謹慎かもしれ

ないけど…Aは愛されてるなぁって。

芝｢…分からない。けど助けてって…｣

カ｢早く行った方が良さげだな…｣

り｢ここから近いんですか？｣

確かに…ここから近いって言うほど近くはない。

けど遠いかって言われれば遠くはない距離。

芝｢…気合いで行ってくる…！！｣

とにかく今はAのことを優先しなきゃ。私

は大丈夫なんだから。待っててね…！！

そんな思いで私はダンススタジオを後にした。


芝｢…ついたっ…はぁっ…｣

息を切らしながらも周りを見渡す。でも特に家

の周りは何も無いな。ってことはA自身…？

Aの家の前に立ってインターホンを押す。

芝｢Aっ…！！私だよっ…！！｣

お願いだから出てきて…！！すると家の中から、

Aではないような怒鳴り声が聞こえた。

｢嫌っ！！！来ないでっ！！！やめてっ！！！｣

芝｢嘘……でしょっ…？｣

そこまでパニック状態になってるとは思っても

いなかった。それにこんなに怒鳴ってるA

は初めて見たもんだから…どうすればいい…？

芝｢……あっ……合鍵っ、｣

そうだ、すっかり忘れてた。何かあった時のた

めに渡されていた合鍵。いきなり開けて怖がら

れないだろうか…いやでも今はAのために！

芝｢Aっ！！｣

思い切って扉を開けると鼻をさすような匂い。

この匂いって…まさかっ…A………！！！

案の定、さっきまでのAの勢いはなく､ぐっ

たりとして…床に血溜まりを作って倒れていた。

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