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#1 ページ2

入学式のようなものから約1週間




入学式の当日は隣のクラスのオレンジ頭くんに“座敷童子みてぇ!”と変なあだ名を付けられた




名簿順に座るはずが完全に自由席になってしまった教室のあらゆる席




「ねぇ」



わしの後ろに座る国見から1日5、6回椅子を蹴られて塩キャラメルを要求されるのはもう慣れた光景




『ちょいまちねー』




それぞれの手をポッケに突っ込んで中を漁る




つい1時間前に渡したので最後だった気がするけど




『あー、ごめんね、さっきので最後』




「は、なんで」




『国見が食べるからでしょ』




「俺そんなに食べてないんだけど」




『嘘つけ』




「意味不明」




よし分かった。お前にはもうやらん。とか何とか言いながらも代わりになるものを探してやるわしも優しすぎるのではないかとつくづく思う




『ぷっちょならあるよ』




「ハイチュー派」




『文句を言うな』




はぁ、とため息を着いて右手でポッケを漁りながら左手でぷっちょを国見の机に置いてやる




『あ、これキャラメル味の飴ちゃんだけど、いる?』




「…貰う」




眉間にしわを寄せながらも右手にその飴ちゃんとぷっちょを握っておくあたり流石だと思う




前を向くとタイミングがいいのか悪いのか、クラスの男子が「羽戸、3年の人が呼んでる」って




わしは疲れてるんだよこのやろー。とは口には出さずに空返事をして廊下に向かった




なーんか嫌な予感するんだよなぁ




廊下に顔を出すと首根っこを掴まれて引きずられる




「牛島さんを待たせんな」




なんだこのアシンメトリー




『モテないタイプだ』




「は?」




色素薄めの髪色で前髪アシンメトリーのそやつはわしを睨みつけてくる




「お前が羽戸か」




『あ、訂正します。羽⤴ 戸⤵ じゃなくて、羽⤵ 戸⤴です』




小中学生の時はそれで散々いじられた




餓鬼かってんだ




「俺はお前の兄に世話になった」




イントネーションの件については無視なのね




「俺たち白鳥沢にお前の兄は1人で勝った」




『……あ、牛島、ってもしかして、ウシジマワカトシサン?』




わしには3つ上のにぃちゃんがいる




にぃちゃんはわしに比べるとかなり血気盛んなタイプで、オマケにとんだシスコン野郎だ




扱いが面倒くさい




『にぃちゃんから話は聞いてますよ、凄く可愛がっていたらしくて』




「……嗚呼。」

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作者名:ぱいんあめっち | 作成日時:2020年4月20日 17時

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