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ぼんやりとそんなことを考えているうちに、
言ちゃんは俺の腕のなかから脱走していて。
あれ、と思った時にはもうテーブルの方に戻っていた。
「言ちゃん?」
「ファンレター読んでんの。もう、」
「んーこれ?」
「ちょ、」
あわあわする言ちゃんを横目に1枚の紙をとる。
「……『クールビューティ』」
そのままもう1度言ちゃんを見る。
切れ長の目、つり上がった眉、僕とは違う位置の黒子。
確かに僕よりはキリッとしてるけど、
普段のことを知ってるからクールだとは思わない。
まあ東大王での立ち回りはまさに冷静沈着、
って感じだから視聴者の人はそう思うんだろうけど。
まあ僕には効かないよな。
「……言ちゃんさあ」
「なに」
「ベットの上では全然クールじゃないもんね」
そう言った瞬間思いっきり足を蹴られる。
苦しんでいる間にさらに遠くに逃げられてしまった。
「い゛っ?!?!待って言ちゃんごめん」
「……その顔でごめんと思っているお前を知らない」
「あ、バレてる?」
「なまいき、ばか、あほ、」
「はいはい」
かわいいねえ、と言いながらもう一度抱っこ。
さっきよりは動揺してない。
「いいの?」
「は?ダメに決まってるだろ」
「なんかその割には抵抗しないね」
「うるさい」
あーかわいい。なんでこんなにかわいいんだかわからん。
顔真っ赤にしてんのとかも全部好きだもん。
俺しか知らない東言。いいなーこれ。
「んふかわいい」
「ほんとにわかったから」
「うん、ベットいきたいけどお風呂入ろか」
「……わかった」
やけに素直だ、なんだか。
かわいいなぁと思いながら言ちゃんの耳に口を寄せた。
「言っとくけどお風呂じゃ襲わないからね」
この言葉のせいで俺は3秒後にビンタされるのだが、
残念ながらそれは予測できなかった。
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春琉(プロフ) - ぷよーこさん» わあコメントありがとうございます双子ちゃんいいですよね(;;)良ければ最新作の作品も覗きに来てみてください! (4月26日 22時) (レス) id: f80e0cff00 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 最近読み始めました。mnちゃんgnちゃん兄弟が大好きなので、いっぱい出てきてくれるのが嬉しいです。 (4月26日 4時) (レス) id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
葉 - リクエストお答え下さりありがとうございました!!こう来るとは思わず、ニッコニコしてしまいました☺️ありがとうございます!これからの更新も楽しみにしています!! (4月8日 10時) (レス) id: 4505e92471 (このIDを非表示/違反報告)
Mimi(プロフ) - 春琉さん» 書いてくださりありがとうございました!これからも春琉さんの小説楽しみにしてますね😊 (4月7日 23時) (レス) id: 282ecdf651 (このIDを非表示/違反報告)
春琉(プロフ) - みーちゃんさん» 良かったです( ・-・̥ )リクエストありがとうございました! (4月6日 17時) (レス) id: f80e0cff00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春琉 | 作成日時:2024年2月26日 0時