きゅけ腐短編

ラブレター(koym) ページ27

卒業済みメンバー出てきます。

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ko side

「……指輪かあ、」

そういえばそんな事もあったな、と
配信終わりに一息つく。


当時付き合ってたあの人に着けていてと言われ、
しばらく動画に出てる時はつけていたっけ。

束縛強いとか思われるかもしれないけど
あの時は絶対に幸せだったなぁ、とため息をついた。



まあその人とは、QuizKnockを辞めてしまってからは
あまり連絡を取れていないわけだけど。

なんでかって、別れたあとも俺たちの縁を
つなぎ止めていたのがQuizKnockだったから。



ただ分かるのは、
動画内であの人が笑顔であるということだけ。

それから、
お互いに未練タラタラで別れてしまったということ。



……QuizKnockをやめてしまった今、
配信で指輪の話が出たから逢いたくなった、
なんて言ったらあの人はどんな顔をするんだろうか。


別れた時の話？
QuizKnockで切磋琢磨してた時の話？

……それとも、付き合っていた時の話？



「なんか連絡するの怖いな。」


気持ちが宙ぶらりんなまま同僚としてしばらく過ごしてしまって、もう恋人同士だったあの距離感も忘れてしまった。

でも、優しくて明るいところは付き合ってた時と何一つ変わってなかったななんて今ふと思って。




「……あぁそっか、」

違う。
距離感を忘れたんじゃない。



忘れたかっただけだ。

だって、引きずってしまうから。











『お互い仕事に集中しよう』





いまはお互い忙しいから。なんて言って
俺の手を優しく撫でるあの人を見て、

そう言われた時はつい頷いてしまったけれど、
その日の夜はめちゃめちゃ泣いたなあとか思い出した。





「あー思い出しちゃった」


もう別れてから結構経つのに。くそ。


こうなったらもうヤケクソだ、
俺はケータイを持って連絡先を確認した。

今は夜、しかもあの人の週一のオフ日だったはずだ。
だから電話をかけてみることにした。


もうどうしようもなく好きなのを思い出してしまった、
なんて言ったらあの人はどう思うだろうか。














「もしもし、山本さん？」

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