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izw side

「なぁ、山本?」

「……」


帰路に着いてから、
もうさっきから山本はずっとこの有様だ。

全くこっちを見てくれやしないし、
声を出してもくれない。

やっぱり嫌われたのか?
まぁ男からの恋心なんて普通はいらないもんな。



そう思っていた時、
山本が歩いていた足をびたっと止めて振り返った。

「え、うぉ」
「いざわさん、ここおぼえてます?」

ん、と辺りを見渡すと、人影のない公園のある道。
……ここは流石に覚えていた。

「あぁ、半年前にもここきたよな」
「そうです」

そう言ってから山本は1呼吸ついた。





「ぼく、ここで伊沢さんに告白したつもりでした」

「え?」

『半年前。やっぱりわかってませんでした?』


なんて言ってにこにこする山本が、
あの時の山本と重なった。

「今日、言ってくれましたよね」

「え、あ、うん」

「……もう1回言ってくれてもいいんですよ、
そうしたらこれは夢じゃないって実感できますから」

そう言って笑う山本を、
俺はぐいっと引っ張って自分の身体に収めた。

「むぅ」と言って俺の中でもがく山本は、
だいぶ小さくて、守ってあげたくなる。
まぁその気持ちは半年前からあったものなんだけど。



「……ずっとこじらせてごめん、」

「えぇ?なんですか」

「好きだ」


そう言うと山本は顔を上げてにっこりと笑って。

「僕もですよ、いざわさん」



そう言ったから、あぁ両思いだったのか、と実感し
気持ちがどんどん上に上がっていった。


「……まじかぁ〜……」
「ふふ、半年前に告白すれは良かったのに」
「ほんとだよもう俺は〜…馬鹿なのかな?」

やっぱり山本はニコニコ笑っていて、
なんだかその余裕そうな表情がムカつく。



「……じゃあこの後俺の家くる?」

だからその表情を曇らせるためにそれを言うと、
ぼんっと効果音が聞こえるくらい顔を真っ赤にしたから。

「……ふ、」
「なに笑ってるんですか!?」
「来るの?来ないの?」
「いきますけど、もう!!」


そうやって言ってかわいくおこる彼に、

あぁやっぱり俺は勝てないんだと思って。






この気持ちはそう、まさしく純愛だ。

半年間熟成させた、今日から始まる恋物語は、
より良いものになるのだろうか?



なんて思いながら俺は山本をもう一度キツく抱きしめた。

-(後日談)→←-



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作品ジャンル:恋愛
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春琉(プロフ) - ぷよーこさん» わあコメントありがとうございます双子ちゃんいいですよね(;;)良ければ最新作の作品も覗きに来てみてください! (4月26日 22時) (レス) id: f80e0cff00 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 最近読み始めました。mnちゃんgnちゃん兄弟が大好きなので、いっぱい出てきてくれるのが嬉しいです。 (4月26日 4時) (レス) id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストお答え下さりありがとうございました!!こう来るとは思わず、ニッコニコしてしまいました☺️ありがとうございます!これからの更新も楽しみにしています!! (4月8日 10時) (レス) id: 4505e92471 (このIDを非表示/違反報告)
Mimi(プロフ) - 春琉さん» 書いてくださりありがとうございました!これからも春琉さんの小説楽しみにしてますね😊 (4月7日 23時) (レス) id: 282ecdf651 (このIDを非表示/違反報告)
春琉(プロフ) - みーちゃんさん» 良かったです( ・-・̥ )リクエストありがとうございました! (4月6日 17時) (レス) id: f80e0cff00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春琉 | 作成日時:2024年2月26日 0時

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