きゅけ腐短編

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目を見開く山本を見て、
あぁやらかしてしまったと思ったけど。

もうどうにでもなれの精神に
いつの間にかそれは変わっていた。

「おれ、結構学歴いいし、仕事も頑張れるし、
クイズもそいつよりは絶対出来るし、
喋りだってそいつよりはいいと思う」

「え？え？」

「スポーツとかあと、部屋の掃除とか料理とかは
負けるかもしんないけどそれ以外なら負ける気しない」



「あと山本を好きって気持ちも負けないし」


……なんて、言いきった頃には心臓はバクバクだった。
どうして半年間こじらせてきたこの気持ちを
今一瞬の勢いで全部言ってしまうのか。馬鹿か俺は。



そのマイナスな感情とは相反して、
山本はだんだん顔を赤く染め上げていった。

それが俺にとって以外で、「やまもと？」と尋ねると
「今ちょっと見ないでください」と返されてしまう。

「なぁ、やっぱり嫌？俺じゃ」

「全然嫌じゃないです」

「え？」
「あっ」

「どういうこと？」

「んんもう、いいからこっち見ないで、」


なんて言いながら逃げようとする山本を捕まえて、
顔をこちらに向けさせると、

真っ赤な顔と涙ぐんだ瞳。
それはもうすっかり耳まで真っ赤で。

「な、な、なんですか」

「え？」

「もう、いざわさんのばか、」

そう言いながら抵抗してこないってことは、
きっと俺の事を悪く思ってはいないんだろう。



「もうかえりましょう、」

そう言いながら立ち上がる山本を
俺は慌てて追いかける様にして立ち上がった。

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