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このご時世で筆を執ることこそ尊いと思うの。
***
Aちゃんも交換ノートしようよ!
元気いっぱいに私の太ももにタックルしてきたのは10歳下の従姉妹ちゃん。
現在お盆休みなのでおばあちゃんの家へ大集合しているのである。
「……交換ノート?」
「今みんなでやってるんだよ〜」
交換ノートといえば私が小学生の頃に流行ったやつじゃん。流行は繰り返すって本当なんだな……と従姉妹ちゃんが差し出したノートを受け取る。
ふむ、なんかデザインが画期的になってる気がする。今も鍵付きのとかあるのかな。
「Aちゃんにもあげるから誰かとやって」
「え なんで?強制?」
友達が私が買ってくるね!と言ったのに間違えて買ってしまったらしい。押し付けじゃん。つーか後から使えばいいやん。
*
「そしてこれが例のブツです」
ジップロックに入れられたそれは遺品や証拠品の類に見えた。
お盆休みが開けて補習の後半戦。エアコンもいつの間にか直り、課題も終わり、もう特に嫌なものは無い。
ちゅーと紙パックのジュースを飲む角名くんは相変わらず目に生気がない。
「へー……え?俺とやんの?」
「え?やんないの?」
「A俺以外に友達いないの??」
「いや、私はすなくんとやりたいの」
素直にそう言えば、真顔でじっと見られる。
何その顔?どういう感情?角名くんてたまに何考えてるか分からない顔しているけど、テレパシーでも送ってるのかな。
「………いいよ。その代わり最初はAね」
「がってん!じゃ、今から書こう」
「え、やだやだ隣で書かないでよ。俺と話そ」
「可愛いこと言えるじゃん」
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作者名:- | 作成日時:2020年4月25日 14時