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青くないし春でもないけど青春を貰ってる。
***
せっかく体育館まで来たし、角名くんの勇姿でも見ようかな。と女子集団の後ろから覗き込もうと試みる。
見えない。ぴょんぴょん跳ねる。見えない。
……ちょっとくらい場所譲ってくれても良くない!?(おこ)
少し時間が経ったらはけてくれるかな、と諦めてスマホを弄り始める。
しばらくして、急に後ろからタオルで目を隠された。み、見えない!誰だ!いい匂いだぞ!ふんわりとな!!
混乱していると耳元で声がした。聞きなれた声だ。
「はぁっ、よかった、まだいた」
「すすすすすなくん!?!?」
急いで裏口から走ってきてくれたのか、息を切らせる彼は新鮮だ。
嬉しくて、さっき吸った角名くんのタオルの匂いを忘れかける。いかんいかん。これは記憶すべき媒体。
「弁当箱ありがと。北さんから聞いたよ」
「とんでもない。ついでにすなくんがバレーしてるとこ見たかったんだけど全然見えなくて諦めようとしてた」
「…あー双子ファンね。もうちょっとしたらいなくなると思うからちょっと待っててよ」
Aにかっこいいとこ見せれるって思えば頑張れるかも、とにっこり笑って走って行ってしまった。
あ、角名くんタオル忘れてる……すぅ。いい匂いだ。
*
かっこよすぎて禿げるかと思った、と笑った。
まさか最後まで見てるとは思わなかった、と笑われた。
『そこ座ってええよ』と北先輩に座らせてもらったし、『どうせなら一緒に帰ればええんちゃう?』と治くんはニヤニヤしてたし、これ最後までいるパターンか?とは思ったけど。
私もまさか二人で帰れるなんて思ってなかった。
「寒くない?平気?」
なにそれ。しぬ。
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作者名:- | 作成日時:2020年4月25日 14時