恋心!の吸血鬼 ページ34
「私も…好きなんです。」
来栖さんは儚げな笑みを浮かべると、小さな声だったが、ハッキリした口調で言う。
本気で直生のことが好きだという気持ちを痛いくらい理解した…でもそれは私だって、彼女に負けない。
「立川先輩のことが…。」
「………え?」
驚きのあまり、間抜けな声が出てしまう。
「わ、私…立川先輩にずっと前から憧れていたんです!」
恥ずかしそうに頰を赤く染め、上目遣いをしながら言う彼女…何かの冗談かと思ったけど、冗談でそんな台詞を言うような子には見えない。
こんな可愛い子が、私みたいに平凡で、なにも取り柄がない奴を好きになるなんてね…。
私は返事をしようとするが、彼女は首を横に振りそれを制する。
「良いんです、返事は要りません…私が伝えたかっただけですから。」
「く、来栖さん…。」
そう言うと、彼女は頭を下げて「…聞いてくれて、本当にありがとうございました。」と、礼を言う。
彼女は、そのまま校舎に戻ろうとしたが私は相手の肩を掴んで引き止める。
「来栖さんの気持ちには、応えられないけど…ありがとう!…私を好きになってくれて、嬉かった。」
…これが私の、彼女に返せる精一杯の返事。
彼女は大きな目から涙を流しながら、何度も何度も私に礼を言って、校舎に戻って行った。
「…なーんかさ〜…かっこいーね、雪花ちゃん。まるで、王子様みたいだったよ。」
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ミサぽん(プロフ) - 猫さん» だ、大丈夫じゃない!?し、しっかり! (2018年3月22日 6時) (レス) id: 5bf4cfcaa2 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - いえいえ!大丈夫じゃないです…← (2018年3月22日 1時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます!だ、大丈夫ですか?; (2018年3月21日 6時) (レス) id: 5bf4cfcaa2 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 凄すぎて顔が熱い…・ω・ (2018年3月21日 5時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 樹菜美さん» コメントありがとうございます!そこからの続編ですか…!そうですね、書いてみたいと思います! (2017年11月2日 6時) (レス) id: 5bf4cfcaa2 (このIDを非表示/違反報告)
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