もっといい顔が見たくて ページ42
『どう、して……？』
ふふっと嫌な笑いを零して言葉を続けた
｢イルミネーションでクリスマスカラーに染まった街を歩いて楽しい時間を過ごした後に、家に帰ってあの光景を見たらもっといい顔してくれるでしょ？｣
｢天国から地獄に落ちるような……本当堪らないほど、いい顔してた。｣
『……っまだ、家に残ってたの？』
｢残ってたよ。だって、殺すことが目的じゃないし、目的はAの哀しみとショックで歪む顔だから｣
そのために、人を殺すなんてありえない
そんな行動が理解できないし、したくもない
『殺す必要なんてないじゃん』
｢ごめんね？
でも、今更言われても、どうにもできないし｣
『……っっ、』
今まで見てきた笑顔と何ら変わらないはずなのに、それすら憎たらしい。私の顔の何がいいのか分からない。ただそのために、何度も……何度も、私の大切な人が亡くなって､その度私は悲しくて辛くていたたまれなくなって、私が生きてていいのか悩んでたのに……
ジミンは私とは逆にその度に幸せに浸かっていた。私を慰める言葉をなげかけてくれたけど、あれは全て偽物で何も意味なんてなかったんだ。心の中で笑ってたんだ。悲しい素振りが一切なかったのは、見せなかったんじゃなくて、そもそもそんな気持ちが微塵もなかったからなんだ。
『周りを巻き込む必要なかったじゃん』
｢……あるよ。Aは少しも僕のこと疑ってなかったみたいだけど、他の奴らは違った。｣
『…え』
｢Aを迎えに行こうかなって思ってカフェに戻ったら、抱きしめてるの見ちゃってさぁ……僕が窓の外から見てるのに気づいたジニヒョンが驚いたように僕を見ててさ｣
｢Aが帰るのを見計らって、カフェに入ったら、待ってたよ。って僕に言ってきた。その態度が気に入らなかった。僕よりもAと距離が近いことをアピールするかのような目が嫌だった。だから、雨が降ってるけど、外で話したいって提案した。｣
｢渋々外に出たジニヒョンから傘を奪って言った。Aの隣にたつのは俺だって｣
｢そのまま、勢いよく押してやった
抵抗することもなくて、道路に飛び出たジニヒョンは最後まで憎たらしかったよ……
ジミン君には隣にたてないよ。って言い残して、車にはねられた。｣
唇を噛み締めながら話すジミンはどことなく辛そうだった。
だけど、そんな彼にかける言葉は何一つ浮かばなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
1994218(プロフ) - ほのかさん» ほのか様。最後までお付き合い頂き、心から感謝します。バットエンドで終わるか終わらないか考えた末にこういった形で終わらせて頂きました。楽しんで読んで頂けて光栄です！たくさんのコメント本当にありがとうございます。今後もよろしくお願いします。(^ ^) (2020年6月20日 7時) (
レス) id: 08f85e22de (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 完結お疲れ様です！！バットエンド的な終わり方をする作品結構少ないので、とても新鮮で最後まで楽しく読むことができました！次回作楽しみにしています！また会いましょう！ (2020年6月20日 1時) (レス) id: 63dc27dcf0 (このIDを非表示/違反報告)
1994218(プロフ) - ほのかさん» ほのか様。読んで頂けているようで、とても嬉しいです。度々コメントを残して下さって、本当に力になります。楽しんで読んで頂けてて、作者としてはこの上ない幸せです。ジミナァァァ……って感じですね(笑)これからもよろしくお願いします！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: 08f85e22de (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - ジミナテメぇぇぇぇ！！これから私はな！グクとのイチャラブ生活が待ってんだよ！邪魔をするなーーー！(訳もっとやれ) (2020年6月17日 21時) (レス) id: 63dc27dcf0 (このIDを非表示/違反報告)
1994218(プロフ) - ほのかさん» ほのか様。また、コメントをありがとうございます。読んでいただけて嬉しいです。グクはどうなるんでしょうか……、今後の展開も楽しみにして頂けたら幸いです。 (2020年6月17日 12時) (レス) id: 08f85e22de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：1994 218 | 作成日時：2020年6月11日 22時
