新たな1枚の写真 ページ39
『……やっぱり』
『あなたが……』
｢そう、僕が｣
『……殺した？』
｢……殺した。｣
『……っっ、どう、して！』
｢どうして？｣
紅く染まったナイフを、ハンカチで拭きながら首を傾げている。
｢ただ、幸せだから｣
『……は？』
｢幸せなの。｣
『人を殺すことが……、？』
私の問いに小さく首を振った。
赤く滲んだハンカチをポケットに突っ込んだ。
｢僕の幸せは、その顔を見ること｣
その後に、好きな人の顔なら、なおさらと続けた。今の私の顔は酷く歪みまくっているだろう。鏡なんてなくてもわかるくらい感情が溢れ出ている。
｢それだよ。それ、大切な人が亡くなったと知った瞬間に、歪むその顔が好きなんだ｣
喉の奥がひゅっと音を出す。
前髪で目元が隠れた瞬間に、顔半分が見える状態となった。その時、目の前の人物は笑った。
その顔は、見覚えがあった。階段から落ちた私を見下ろし笑っている人物にそっくりで
あぁ……そういうことか
『階段から落としたのも、｢僕だよ｣……』
｢なんで？って言う顔してるけど、僕が好きなのは好きな人の顔が歪むこと。
その顔にするためなら、手段は問わない。たとえ、自らの手で好きな人を苦しめたとしても……それで、その顔が見れるなら僕は幸せなんだから｣
｢だけど、あれは誤算だった。｣
｢あの女が、それを見ていたなんて思いもしなかったけど、馬鹿みたいに言うこと聞くもんだから、僕笑っちゃったよ。｣
『あの女……って』
｢あー、ヨナさんだっけ？本当に面倒くさい人だったけど、終わり方が最高だったから、まだマシかな｣
『ヨナさんも……あなたがっ、』
｢あれ、気づいてなかった？｣
『写真が、……なかったから』
｢写真……あぁ…、先にこの部屋に侵入した阿呆がいて、ソイツが剥がしたみたい｣
ナイフを弄りながら、そう話すその人は思い出すのでさえ面倒だと言うような口調で話を続ける。
｢ソイツがさ、一丁前に問いただしてきたもんだから………………｣
｢殺しちゃったよ｣
1枚の写真を胸ポケットから無造作に取り出して、床に置きナイフで刺した。
刺された写真には
『……っあぁぁ』
無惨な姿で変わり果てたグクがいた。
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1994218(プロフ) - ほのかさん» ほのか様。最後までお付き合い頂き、心から感謝します。バットエンドで終わるか終わらないか考えた末にこういった形で終わらせて頂きました。楽しんで読んで頂けて光栄です！たくさんのコメント本当にありがとうございます。今後もよろしくお願いします。(^ ^) (2020年6月20日 7時) (
レス) id: 08f85e22de (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 完結お疲れ様です！！バットエンド的な終わり方をする作品結構少ないので、とても新鮮で最後まで楽しく読むことができました！次回作楽しみにしています！また会いましょう！ (2020年6月20日 1時) (レス) id: 63dc27dcf0 (このIDを非表示/違反報告)
1994218(プロフ) - ほのかさん» ほのか様。読んで頂けているようで、とても嬉しいです。度々コメントを残して下さって、本当に力になります。楽しんで読んで頂けてて、作者としてはこの上ない幸せです。ジミナァァァ……って感じですね(笑)これからもよろしくお願いします！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: 08f85e22de (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - ジミナテメぇぇぇぇ！！これから私はな！グクとのイチャラブ生活が待ってんだよ！邪魔をするなーーー！(訳もっとやれ) (2020年6月17日 21時) (レス) id: 63dc27dcf0 (このIDを非表示/違反報告)
1994218(プロフ) - ほのかさん» ほのか様。また、コメントをありがとうございます。読んでいただけて嬉しいです。グクはどうなるんでしょうか……、今後の展開も楽しみにして頂けたら幸いです。 (2020年6月17日 12時) (レス) id: 08f85e22de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1994 218 | 作成日時：2020年6月11日 22時
