伍拾捌話(唐突過ぎる過去編) ページ11
Aside
泣くのは久しぶりだ。
最後に泣いたのは家族を鬼に殺された時だ。
夜、兄さん達から絵を教えて貰っていた時に鬼が家の中に入ってきた。
私と兄さん達は奥の部屋に居たから気づくのが遅かったけれど、父さんと母さんの悲鳴が聞こえて上の兄さんが様子を見に行った。
奏「Aは碧生と一緒にここで待ってろ」
碧「分かった。奏大も気をつけて」
奏「あぁ。」
『奏大兄さん…』
碧「大丈夫だA、奏大は物凄く強いんだからな。刀だって振れる。俺みたいに力が無い訳でもない。だから安心しな」
『うん…』
あの後すぐに奏大兄さんの悲鳴が聞こえて碧生兄さんも行ってしまった。
碧「…A、これを持ってここから逃げろ。」
『これは…?』
碧「藤の花が入った香袋と鬼を斬れる小刀だ。Aは力も速さもある。もし鬼に襲われそうになってもこの小刀で斬ればいい。」
『碧生兄さんはどうするの…?』
碧「俺は…」
鬼「やはりまだ居たかァ?」
『ひっ…』
碧「逃げろ!A!早く!」
『わ、わかった!』
あの後のことはあまり覚えていない。でも家の近くにある小屋に隠れた気がする。
私の家の小屋は頑丈でそんな簡単には壊れなかったから。
ずっと寝ないで居たらいつの間にか日が昇っていた。
もう日が昇れば鬼も居なくなってきっと隠れたはずの家族にまた会えると無理矢理思い込んでいた。
元々父さんが柱だったから鬼がこっちまで来た時点で両親も奏大兄さんもどうなかったかは察していた。
でも信じたくなかった。父さんや奏大兄さんは強いからきっと大丈夫だって。
だからこそ家に戻った時は辛かった。
原型を留めていない肉と骨と血。
でも片方には折れた日輪刀を持っていた腕があったからそっちは父さんだって理解した。
そこから少し進んだところには奏大兄さんが倒れていた。
…奏大兄さんももう息はしていなかった。
私と碧生兄さんがいた部屋に行けば碧生兄さんももう…
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トマト(プロフ) - 三月の専属ストーカーなつめみくさん» ありがとうございます!(人 •͈ᴗ•͈)そう言って貰えて嬉しいです😊 (10月17日 13時) (レス) id: 05f1c6c0dc (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - トマトさん» 遅れてすみません!待ってましたー!この作品その場の状況やキャラの心情が分かりやすくかいててめちゃ読みやすいですー! (10月17日 10時) (レス) @page5 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - 三月の専属ストーカーなつめみくさん» ありがとうございます!😭✨日曜日にいっぱい更新しますのでそれまで待っていてくれますか…?( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ ) (10月11日 18時) (レス) id: 05f1c6c0dc (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - 続きが早くみたいです!!めちゃめちゃ面白いです!! (10月11日 15時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トマト | 作者ホームページ:https://twitter.com/uratuku_tomato?t=mmEEDZyCeO3uAqq9NPnxeg&s=09...
作成日時:2023年10月11日 1時