犬*223話* ページ34
そんな中、突然ランマルの首輪がうるさく鳴り出した。
「や、やべえ・・・!!そろそろ・・・!!」
「早く中央に立って!」
ヒナコに急かされ、ランマルは中央の機械の中に入った。
私達も続いて囲むようにそれぞれ位置につく。
うるさく鳴る心臓を押えて深呼吸した。・・・大丈夫、絶対に助ける。
「じゃあ、やり方だけど・・・」
「僕が説明するよ」
『うわっ!?』
突然現れたミドリに全員が警戒の表情を浮かべる。
だけどミドリはそんなこと気にも留めていないようで。
「おっと、もう手を離したら失敗になるからねー。そのままそのまま」
『くっ・・・』
「いいかい?このゲームの目的はランマルに電気を集めること。これから君たちが掴んでる電極にランダムで電気が流れるから・・・うまくランマルにその電流を送り届けてあげてね!」
その後の説明で理解した。
つまり私達の内、誰か一人でも気絶してしまったら・・・
ランマルは死ぬ。
『・・・・っ、』
ランマルの首輪は警告音を鳴らしている。
あまりの緊張感に唾を呑む。
失敗は・・・許されない。
「大丈夫」
恵梨香ちゃんの手が私の手を包む。
「貴女だけで抱える必要はないわ。私達も同じように背負うから・・・だから孤独に思わないで」
『恵梨香ちゃん・・・。・・・・・うん、ありがとう』
そうだ、みんなランマルを救うために一団となってくれている。
何も怖く思うことはない。きっとみんなと協力し合えば無事に終わる。大丈夫。
私がやることは二つ・・・。
『(気絶しないことと・・・みんなを信じること)』
今の私なら・・・きっとできるはず・・・!!
.
.
『っ・・・、はあ、はあ・・・・』
息が浅く、身体が痺れてきた。
一度成功したと思ったのに、ミドリのクソ野郎は「頑丈に作りすぎたから」と
もう一度同じことをするよう言った。
本当は殴ってやりたかったけど、ランマルを助けられるなら言う通りにするしかない。
・・・・でも、もう一度なんてできる?
今だって倒れたいくらい苦しいのに?
『(・・・そんなの、関係ないでしょ)』
ランマルを救うためなら、私は命だって差し出す。
限界なんて知ったことじゃない。
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!最高すぎるではないですか!どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね! (6月17日 17時) (レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです!!応援してます!頑張って下さい!! (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー!!是非とも最後見たいので更新待ってますッッ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました!とても面白かったです!更新待ってます! (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください! (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年8月18日 16時