犬＊２２１話＊ ページ32
私の言葉に眉を顰めたランマルは私の肩を強く掴んだ。
「A、よく考えろ！俺とケイジ、どっちの方がいいか！俺はお前の為に何でもやれる。それこそ人殺しだって。けどケイジは？あいつはお前の為に何でもできる奴なのか？」
『そ、それは････』
「ケイジに依存してるみたいだけど、それは勘違いだ。今までケイジしか頼れる相手がいなかったから、自分に優しくしてくれる相手がケイジしかいなかったから。だからあいつのことが好きだなんて錯覚してるんだ！お前のことを本当に理解してんのは俺だろ！？」
『･････違う･･･！』
この感情は錯覚じゃない。
いや、例え錯覚だろうと構わない。
私は、私は･････！
『私はケイジさんと生き残りたいの･･･！ケイジさんが好きなの！！』
「A！！目を覚ませ！！！」
「いい加減にしてくれる？」
聞き慣れた声がしたと同時にランマルの手が離れる。
私と彼を引き剥がしたのは、他の誰でもない私の大事な親友だった。
『恵梨香ちゃん･･･！！』
「A、彼の言葉を聞いてはダメ。ケイジさんを救いたいのならその気持ちをしっかり持たなきゃ」
「エリカ･･･お前････！」
「言ったわよね？「Aを悲しませるようなことしたら殺す」って。･･･次同じようなことしたら本気で殺すから」
行きましょう、と恵梨香ちゃんに手を引っ張られ、私は教室を後にした。
「貴方ね･･･！ランマルの提案を呑むことがどんなに危ないことか分かってる！？」
『･･･ごめん･･･』
「･･･貴方とランマルがどれだけ仲が良かったかは知ってるし、記憶が戻ってるせいで混乱してるのも分かってるわ。それでも覚悟を揺るがしちゃダメ。貴方は何のために頑張ってきたの？ケイジさんの役に立つ為、みんなと生き残る為でしょう？」
『･･･うん』
私は恵梨香ちゃんの言葉に頷きながら涙を流した。
こんな私に泣く資格なんかない。それは分かっているけど。
でも･･･どうしても我慢できなかった。
一瞬でも仲間を捨てようと思った自分が、
ケイジさんよりランマルを取ろうとした自分が、
死にたくないと、助かりたいと縋ってしまった自分が、
全部全部本当に情けなくて。
「･･･少し休みましょう。気持ちが落ち着けば冷静になれるわ」
『うん･･･ありがとう、恵梨香ちゃん･･･』
「馬鹿ね。親友なんだから当然じゃない」
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
