犬*193話* ページ3
「ミドリが死ぬ前にペアを殺す・・・それだけが生き残る方法なの・・・」
それを聞いてゾッとする。
・・・・ランマルも恵梨香ちゃんも、最初からそれを狙って・・・?
・・・・・そうだ、記憶がインプットされてたって結局ミドリの好きなようにされる。
本当は殺したくなくても殺さなきゃいけない、なんて
そんなことがあるかもしれない。
私は何を安心してたんだろう。
「・・・Aちゃん、行こう」
『・・・・・』
ケイジさんが私の手を握って走り出した。
チラッと見えたランマルや恵梨香ちゃんの表情はどこか苦しそうで。
やっぱりそれでも私は二人を信じてしまうのだ。
.
.
「筋肉ゴリラぁ!!どこニャァーン!!」
『Q太郎さん!!』
「がはっ・・・!ぐぅ・・・!」
必死に呼びかけていると、うずくまっているQ太郎さんを見つけた。
傍にはマイさんが倒れている。
・・・どういうこと?
「チッ・・・!何しくじってんのよ・・・!馬鹿な奴・・・!!返り討ちで殺されるなんて・・・!!」
「殺しちゃいねぇ・・・」
「・・・はぁ・・・?」
「少し吹っ飛ばしただけだ・・・多分停止してるだけぜよ・・・」
死んではないのか・・・良かった。
「どうして手加減すんのさ・・・!?こいつはあんたの命を本気で・・・!!」
「本心じゃ・・・ねぇからぜよ!!」
「なっ・・・」
「お前ら全員そうだろ・・・ミドリに命を握られて・・・無理矢理やらされてるだけじゃねぇのか!?」
・・・・そうだ。ダミーズも私達と一緒。
理不尽な死に怯えて、抗って、何が何でも生きたいと願う。
私達と何も変わらない。
むしろ心は一緒なんだ・・・。
だからこそ・・・あいつは、ミドリは許せない。
私達の命を弄ぶ組織は絶対に許されない。
「協力しろ・・・!ダミーズ・・・!」
「な・・・何言ってんの・・・」
「俺達はヒナコ達に何もしねぇ・・・!!だから耐えるぜよ!!そっちも・・・!!」
「馬鹿言わないでよ!!ルール聞いてた!?どっちかが死ぬしか・・・!!私達は・・・!!」
「言いなりの先に勝利があるのかよ!!」
「・・・!!」
Q太郎さんの言葉は胸に響いた。
挫折や葛藤を味わったQ太郎さんだからこそ言える言葉。
・・・・ダミーズの気持ちも分かる。・・・だけど。
ミドリに従って生きていくなんて、絶対にさせたくない。
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!最高すぎるではないですか!どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね! (6月17日 17時) (レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです!!応援してます!頑張って下さい!! (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー!!是非とも最後見たいので更新待ってますッッ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました!とても面白かったです!更新待ってます! (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください! (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年8月18日 16時