犬*178話* ページ36
ロッカー室へ着くと、ケイジさんは少し顔を顰めた。
それに気付かないギン達はロッカー室を調べようと話し合っている。
「・・・探索は慎重にね」
『?はい・・・』
よく見てみれば、床には何かがたれてきたような黒いシミ。
天井には血らしき赤いシミがあった。
・・・・もしかしてここで誰かが死んだのだろうか・・・?
でもダミーズの誰も反応していない。
じゃあ一体誰が・・・?
「ここの探索はもう終わり?」
「はい。怪しい部分も見当たりませんし・・・」
「そうなると、フロアマップに載ってる部屋は全部探索したことになるぜよ」
「ミドリのヤロー、どこにもいねぇじゃねぇか」
確かに、全部回ったのに一回も見かけなかった。
どこにいるんだろう。
「なあ、提案だけど・・・」
ランマルが軽く手を挙げて口を開いた。
「それぞれ分かれてペアで行動しねぇか?大勢で探索するより効率いいだろ?」
『確かに・・・時間制限もあるしね』
「そうだね・・・別々で行動しよう。サラちゃんもそれでいい?」
「は、はい。大丈夫です」
「あら、そうなんですか?もっとワイワイしたかったのに・・・残念」
・・・・・恵梨香ちゃんと二人きりか。
なんだか緊張する・・・。
人形だとは分かっていても、まだ罪悪感が消えたわけじゃないし・・・。
なによりミドリがわざわざ用意したのだ、何か罠があってもおかしくない。
そもそも私のことを気に入ったって何?
何で気に入られたの?
っていうかだからってデスゲームに参加させる?普通!!
ミドリの言葉を思い出し、イライラする気持ちをなんとか抑えようとする。
はぁ・・・・・あいつが私を巻き込まれなければ、今まで通りの日常を過ごせたのに。
・・・・でも、このデスゲームに参加してなかったらケイジさんと出会えてなかったのも事実。
私が死にたがりじゃなくなることも無かった。
そう思うと感謝・・・いや、やっぱりそれで帳消しにはならないわ。
「A・・・どうしたの?百面相して」
『いや・・・・ちょっとね。ミドリのことについて考えてた』
「・・・・・多分、ダミーズにもあいつのことは分からないと思うわ。生存者の情報と、それぞれに与えられる情報以外何も知らないもの」
『そっか・・・まぁ、そうだよね。個人情報なんて入れるわけないか』
分かっていたはずなのに・・・思い出を『情報』って言われるとちょっと複雑だなぁ。
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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時