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犬*169話* ページ27

『す、すみません』
「俺は大丈夫だけど・・・万が一こけたりでもしたら大変だ」


ケイジさんはそう言いながら私の手を取った。

そのままぎゅっと繋がれる。


「これならこけないでしょ?」
『っそ、そう、ですね・・・!』
「?どうかした?」
『いえ!何でも!!』


まさか手を繋いでくれるとは思っていなかった私の顔は一気に熱くなる。

きっと明るい所で見たらすごく赤いんだろうな。



しばらくすると、サラちゃんが「光が見えてきましたよ」と駆け足で光の方へ向かった。


相変わらず周りは暗い。

けど中央に一つだけ、存在感のあるお墓らしきものがあった。


「あれは・・・お墓か・・・?」
「見た感じ・・・そうみたいだね」
「・・・ソウさん」
「さすがに一人で行けるような明るさじゃないね、ここ」
『だからみんなで行こうって言ったじゃないですか』
「・・・・・そうだね」


私達がそのお墓についてしばらく話していると、目の前に棺が現れた。


「なっ、何で棺が!?」
「中に遺体が入ってるとか・・・」
「ば、バカ言え!一体誰の遺体だってんだ・・・!」
『あの、私が見ましょうか?』


本当に遺体が入ってたらきっと綺麗な状態じゃないだろうし・・・。

私は見慣れてるから良いものの、他の人に見せたら絶対トラウマになる。絶対だ。


なら私が見るのが得策だろう。


レコさんは「お前に見せたくない」って嫌そうだけど・・・・。


でも誰かが調べるしかないんだから仕方ない。



『よいしょっと・・・・』


蓋を外すと、人の体らしきものが視界に入った。

それを見る限り少なくとも身体は綺麗な状態らしい。


『顔・・・・は・・・』


そして顔を見た瞬間、思わず動きが止まった。



・・・・・この顔・・・・カイさんのパソコンに載っていた人だ。

生き返ったとかなんとか言ってた・・・・。

名前は知らないけど、ソウさんと関係のありそうな人だったはず。


どうしてこの人がこの棺に・・・・!?



私が困惑している間に、周りにどんどん棺が現れ始めた。


サラちゃん達曰く、最初の試練の犠牲者達らしい。


『な、何で犠牲者が・・・!?』


それに死んでるのなら綺麗な状態で置いてるわけがない。





「・・・・・A?」
『・・・・・・・え?』


目の前の棺から声が・・・した。


恐る恐る視線を戻すと・・・・・その人の目は完全に開いていた。

同時に、不気味な笑みを浮かべている。

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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時

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