犬*147話* ページ5
「Q太郎は電子パッドをドアノ下からもぐりこませたんだ」
「ええ!この方法でQ太郎さんは取引を持ちかけた!!きっとソウさんは、力で勝るQ太郎さんをかなり警戒したはずです!だからQ太郎さんは先に自分の身代を教えた!!口頭ではなく、電子パッドを見せて・・・!!」
「・・・・・・・」
ソウさんは読み取れない表情を浮かべている。
「ソウ、君にはメダルや【紗良】フォルダの中身以外にも目的があった。身代を自分の思い通りに管理すること・・・だ」
「・・・・そうだよ」
ソウさんが・・・認めた・・・。
それから彼は、カンナと脱出計画を練っていたこと、
ドア越しにQ太郎さんから取引を持ち掛けられたこと、
受けるつもりはなかったけど、電子パッドを見せられて気が変わったこと・・・。
諸々の事情を話した。
そしてQ太郎さんも・・・・一階の監視カメラの映像のことを認めた。
デスゲームに使う仕掛けを設置することが最初の試練だったと。
自分のせいでカイさんが死んだようなものだから、どうしてもパソコンを取り返したかったと。
「・・・・感動的な話だね」
ソウさんは嘲笑うように口角を上げた。
「君はそんなことの為にメダルを100枚も僕に渡したんだ」
『!!ひゃ、100枚って・・・!』
「マジかよ!?交換2回分じゃねぇか!!」
「でも君は残り1回分だけ、交換を残していた。ズルいよね。捨て身のフリして身を守ることは忘れない。汚い大人だよ」
「なんだと・・・!!」
「結局君は、ピンチになれば身代を誰かになすりつける逃げ道を作っていたんだ。だから僕はその前に身代を他の人へ移すことにした」
『・・・!そんな・・・!!』
「・・・・・びっくりしたよ」
ソウさんは私を見て思い出すようにポツリと呟いた。
その表情は・・・さっきとはまるで違う。
なんとなく、本音で話しているような気がする。
「僕は、君が身代を持っているとばかり思っていたよ。君自身もそれを認めていたしね」
「・・・・待て。ソウはずっと知っていたのか?彼女が身代を持っていたこと・・・」
「彼女の顔を見ればすぐに分かりましたよ。・・・・Aは・・・諦めていた。生きることを決めたばかりなのに、もうどうしようもないって泣きそうな顔で、震えた声で、感情を剥き出しにしていた・・・」
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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時