犬*167話* ページ25
「・・・で?」
『えっと、つまりですね・・・私、ソウさんのこと信じます』
「・・・・・は?」
当然の反応だ。
好きになれないと言ったばかりの相手にそんなこと言われたら私だって混乱する。
『カンナにそう頼まれたんですから信じます。まぁ、疑う時は疑いますけど。でもそれも、信じるための行為だから』
「・・・・やっぱり君は馬鹿だ。馬鹿過ぎる」
『そこまで言わなくてもいいじゃないですか!』
「・・・・・・その馬鹿さに救われるなんてね」
『え?』
「何でもない。それよりいつまでここにいるつもり?ケイジさんの所に行かなくていいの?」
『そりゃケイジさんの所に行きたいですけど・・・ソウさんと一緒に行こうと思って』
「・・・・・どうして」
ソウさんの声色が明らかめんどくさそう。
ちょっと傷付くんだけど。
『今のソウさん、明らか警戒されてますよ。私と一緒に行った方がまだマシでしょう』
「別にいいよ、警戒されてたって。もう仲良しこよしする気もないし」
『いいから行きましょうよ!ソウさんだってここから出たいんでしょう?だったら早く行動しないと!』
「・・・・はいはい、分かったよ」
・・・・・・きっとお互い、カンナの傷は癒えないまま。
ずっと彼女の死を背負って生きていくんだろう。
でも・・・いつかは笑って話せたらいいな。
.
.
「僕が探してみるニャン!だから待ってあげて欲しいワン!」
「ダメだ!ギン!だったら私が・・・」
なにやらロビーが騒がしい。
どうやら私達がいないから探しにいこうと話していたらしい。
それは申し訳ないことしちゃったな・・・。
「騒がしいね・・・」
『みなさん、遅れてごめんなさい』
ソウさんを連れて前に出ると、一気に場がざわついた。
「A!?何でソウと一緒に・・・!」
『一緒に行くよう誘ったんです』
「結構無理矢理だったような気もするけど?・・・そんなことより、笑顔で迎えてよ。僕らは仲間でしょ?」
「笑顔なんか・・・できるわけねぇぜよ・・・・」
「え?僕は笑顔だけどなぁ、ほら」
その場に重たい空気が流れる。
・・・・あんなことがあった後に笑えるわけないよね。
ソウさんだって無理に笑顔作ってるし・・・。
みんなも責任と罪悪感を抱いてるんだ。
「・・・・ソウ、一つ聞いていいかい?」
「何?」
「どうして君はAちゃんにだけ気を許してるんだ?」
「・・・・!!」
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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時