犬*163話* ページ21
みんな着々と投票し、残りは私とサラちゃんになった。
「A・・・・」
『・・・サラちゃんが先に投票して。私が最後にするから』
「そんな、」
『大丈夫。大丈夫だから』
人数的に、ナオさんが勝つことはできない。
それが分かっているからか、ナオさんはずっと俯いて泣いている。
・・・・・・・私が罪を背負わなきゃ。
サラちゃんだけに背負わせるなんてさせたくない。
「A!お前も僕を嫌ってただろ!?僕に入れろ!!」
『・・・・ソウさん、言ったはずです。私達は仲間だって。・・・・好きにはなれませんけど・・・だからって殺したいほど嫌いってわけじゃないから』
「だからカンナを殺すのか!?」
『・・・・・・・・カンナを大事に思うからこそ・・・・私の選択はこれなんです』
私は投票パッドでカンナに投票した。
サラちゃんもカンナに入れていたのか、カンナが5票、ソウさんが3票、ナオさんが2票と表示されていた。
・・・・・・決まってしまった。
「・・・・ありがとう・・・サラさん・・・。Aさんも・・・・ありがとう・・・・」
『・・・お礼を言われる資格なんて・・・私には無いよ・・・』
私は貴方を殺してしまったのだから。
「なんでだ!!何で僕を選ばない・・・!!絶対に許さないぞ・・・!!サラ・・・!!」
『!!やめてください!恨むなら私でしょう!?サラちゃんは何も悪くない!!』
例えサラちゃんがソウさんに入れていてもカンナが勝っていた。
それは私がカンナに入れたからだ。
だから恨まれるべき人間は私のはずなのに。
「・・・サラさん・・・最後に・・・あの・・・」
カンナが柔らかく微笑む。
「ギュッとして・・・もらえませんか」
「ああ・・・」
「・・・えへへ・・・暖かいなぁ・・・」
本来微笑ましいはずの光景に、涙が止まらなかった。
・・・・もう、その光景を見るのもつらい。
これから何が起こるか・・・分かってるから・・・・。
「け、結果を・・・発表します・・・・」
ハンナキーの結果発表も頭に入ってこない。
まるで一回目のメインゲームの時と同じだ。
「ふふふ・・・あっちで・・・先生に会えるでしょうか・・・。・・・・絵、完成させたかったな・・・」
そんなナオさんの声が聞こえる。
ナオさんは・・・私達を責めなかった。むしろ感謝された。
その優しさが今は痛い。
「そ・・・それでは・・・しょ・・・処刑の時間です・・・」
138人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時