俺たちフィッシャーズは……

いいじゃないか ページ46

もし、みんなの病気がなかったら



もっと今より行動範囲が多くなって


いろんな思い出を作れただろう。



でも制限があるからこそ、どう無理せず楽しめるか考えることが楽しくなる。








別の人には無い。俺たちだけ楽しめる時間。







それだったら、今のままで良かったって思う。


病気を患っててくれてありがとう、なんてことではない。


そうではないんだけど。





普通じゃない、俺達のいいところ。





それがいいんじゃないか







「ねえ、お前らさ馬鹿なことやってて恥ずかしくねぇの？いつまでもガキくせえことしかしてなくてさ」






『少なくともお前らより心の底から楽しんでるし、



そう世間体や体裁気にして生きてるよりは




伸び伸び楽しんでるぜ？俺らは』






世界観というものは、それは人それぞれ違う。





「……そうかよ、悪かったな」








遠回しにぶつけられた文句。


あまり仲良くなかった友人から久々に会おうと呑みに誘われて、金のことやプライベートや散々聞かれた挙句にこれだ。



別にいい。金のことだってYouTuberだし興味持たれるのは百も承知で参加したし



本当の金額は言うつもり無く、嘘ついているけど



プライベートだって俺は何をしているか分からないとか理由をつけられて、話を聞いたら裏で噂を流しだすんだろうと見据えてる。





しかしスタンスを、生き方を否定される覚えはない







マサイ「また意味の無い飲み会参加したわけ？」


『ふへへ、別にいいじゃん？いろんな人の意見聞くことも勉強なんだよ』


マサイ「って言いながら結構なダメージ受けて帰ってくるくせにな」


『……うるせぇ』


マサイ「じゃあなんでまた俺の家に転がり込んで来てるのさ」


『……いいじゃん、ケチ』


マサイ「階段やエレベーター使えばすぐお家ですけど？」


『だって……スタンスに文句つけられるとは思わなかったし』


マサイ「……」


『何も知らねえくせに……アイツらに文句言われる筋合いねえっつーの』


マサイ「シルク」


『ん？』


マサイ「……お疲れ様。」


『……』



マサイ「たまには、休憩してよ」


『……なんで、お前はそんなに俺を甘やかすんだよ』


マサイ「無理するなんていつものことですから」









……おい、見てるか。


俺はいい友達に恵まれて、馬鹿なことして楽しんでるぞ









羨ましいだろ？









end.

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