俺たちフィッシャーズは……

やっぱり ページ17

医者「薬ができたんです。」





『……え？』




医者「桜クラ病に対応できる薬が開発できたんです。」








いつも通りの検診。


安定の変わらない結果だと思っていたのに





……お医者さんから言われたのは俺のもう一つの“夢”を叶えてくれる方法だった。








『それって、また俺は……』





医者「はい見れますよ、桜」




その言葉を聞いた瞬間、俺の頭にはすぐフィッシャーズのメンバーの顔が浮かんだ。



また、また皆で花見やれるぞ！って

綺麗な桜が見れるぞ！って

伝えられるんだ。って








医者「但し、薬が使えるのは一回きりです。」





しかし＿＿＿＿＿＿＿現実は甘くないようで。






『でも、時が経てばまた使えますよね？』


医者「いえ。生涯に一度きりしか使えません」





キッパリと突きつけられる現実にまた心が殺られそうになる。




医者「副作用の反動が強く、一回以上使ってしまうと間違いなく死亡してしまいます。」




『そう……ですか。』




医者「いつ使うかは貴方の判断次第ですのでお渡ししておきますね」









『……と、言われまして』




シルク「え。よかったじゃん！」


ンダホ「ね！また行けるよ！」





案の定、メンバーに伝えると喜んでくれた

喜んでくれた……が







ダーマ「なんだ？ぺけ。浮かない顔して」







俺はなぜか心の底から喜ぶことができなかった


だって、この薬を使ってしまったら







『……一回しか使えないなら、それが本当に最後の桜になっちゃうんでしょ？』







見れるのは嬉しい。嬉しい……けど






モトキ「うーん、でもどうせ最後ってのは来るからねえ」


マサイ「ぺけが本当にコイツらと桜見たい！って思った時でいいんじゃね？」


ザカオ「別にすぐに決めろって言われてるわけでもないしねw」




そう言ってくれるメンバーの顔は優しかったけど








少しだけ、悲しそうに見えた。







『うん……わかった』







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