両想い…なんですね。 【ハイキュー】 【日向翔陽】

鬼電。 ページ6

朝になったら、雨、やむかなって思ったけど、外は相変わらず、強い雨。

どうやら、夕方まで止まないらしい。
雨がやむまで、いさせてもらうことになった。

プルルルルプルルルル

あれ、電話？

どうやら、私の携帯からなっているみたい。
洗い物を一旦中断して、携帯の画面を見る。

そこには、お兄ちゃんの文字。

電話を持つ手が震える。


日「A、どうしたの？」


『お、お兄ちゃんから…電話かかってきた…』


日「え……」


翔陽くんの顔から色が消えていく。
何も知らない翔陽くんのお母さんは、不思議そうな顔でこっちをみている。

でも、ここで出なかったら、もっと大変なことになるのはわかる。

私は、恐る恐る、通話ボタンを押した。


葵「Aーーーっ！！」


出るなり、スピーカーにしなくて聞こえるような大きい声で叫ぶ、お兄ちゃん。


葵「そこ、避難指示出てるよな？大丈夫か！？」


『うん、大丈夫』


葵「よかった…家の電話出なかったから、心配で…」


ここは、なんとかしてうまく誤魔化さなければ！！
私は、普段使ってないところの脳まで使って、必死に言い訳を考えた。


『避難所に避難してて、出れなかったの』


葵「避難所！？じゃあ、俺もすぐいくから合流…」


『だ、だめ！え、えーっと…避難所は、人がいっぱいで、来られないの！』


葵「そうなのか？でも、心配だな…雨やんだら、迎えに行こうか？」


『大丈夫！近所のおばさんと帰るから！』


葵「そうか…じゃあ、家で待ってるな。危なく無くなったら、帰ってこいよ」


『うん』


うん、私女優になれるんじゃない？
オレオレ詐偽も出来るような気がしてきた。


日「だ、大丈夫だったか？」


怯える翔陽くんに向かって、私は大きく指でグッチョブ！というポーズをして、突き出した。


日「おぉ！！さすがA！すげぇ！」


『お兄ちゃんには、避難所に行ってるって言ったよ。それっぽい言い訳も言っといたから大丈夫！』


気分は、戦に勝利した戦国大名よ。

にしても、シスコンってのは、本当に困る。
大学生にもなって…

大学でも、妹がいかに可愛いかを熱弁してるらしい。(お兄ちゃんの友達から聞いた)

恥ずかしすぎる。


母「何？何があったの？」


翔陽くんが一から順を追って説明する。


母「へぇ、シスコン。Aちゃんも大変ねぇ…」


『全くです』


でも、きっと、小さい頃から親が忙しいから、そのせいもあるんだろうなって思う。

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