両想い…なんですね。 【ハイキュー】 【日向翔陽】

痛いの痛いの飛んでけ。 ページ29

『えっとぉ…とりあえず、ごめん！』


日「ん？なんで？」


『みんなに迷惑かけて、翔陽くんに運ばせて…重かったよね！』


日「Aが謝ることじゃねぇべ？俺がやりたいって思ってやったことだ！」


翔陽くんは、自分の胸をぽんっと叩いた。


日「あと、俺にはどんどん迷惑かけろ！」


そう言うと、歯を見せて、効果音がつきそうなぐらい、にこっと笑った。
翔陽くんの笑顔に、思わず、私も頰が緩む。


日「まぁ、めっちゃ冷やかされたけど…」


スガさんや黒尾さんに、いじられている翔陽くんが、これでもかってぐらい鮮明にイメージできた。


日「で、足は治った？」


『治ってはないけど…だいぶん引いたよ。完治には時間がかかるみたいだけど…』


日「そっか…」


すると、翔陽くんは私の足を取り、ゆっくり撫で始めた。


日「痛いの痛いの、飛んでけ」


そう言って、その手を、大きく振り上げた。
私が、頭上にはてなマークを浮かべていると、


日「え、え？ごめん！妹によくやってたから、その…」


『ふふ、ありがと。もう、痛くなくなった気がするよ』


日「そ、そう？よかった。あ、やべ！もう行かなきゃ。ばいばい！」


『うん、ばいばい』


私は、自分の足を見つめた。
翔陽くんの、ガラスを扱うかのような、優しい手つきが、肌越しに感じられた。

もっと触れてて欲しかった。
なんて、思ったり思わなかったり。



しばらくして、痛みも引いてきたころ。


谷「Aちゃん、晩御飯できたよ！」


『え、ごめんね、手伝えなくて…』


谷「いいのいいの。食堂くる？」


『行く！』


保健室の先生から、無理しないように、痛くなったらまた来ること、と言われながらも、私はようやく保健室を後にした。


谷「大丈夫？歩ける？」


『うん、もうだいぶ大丈夫だよ』


未だに、仁花ちゃんは、私の足のサポーターを見て、痛そうと、悲鳴を上げている。

食堂に着くと…

うっ…みんなからの視線が痛い…
そりゃそうだろう。だって、練習途中に捻挫して、お姫様抱っこされてたなんて、目立ちすぎる。


「「いただきます！」」


みんなで、ご飯を食べ始めたからも、みんなこっちを見てなにか言ってる気がする。

うぅ、自意識過剰かもしれないけど！

翔陽くんは、影山くんとの勝負に夢中になって、周りがほとんど見えていない状況みたいだった。

なんか、自分だけ焦ってるって、馬鹿みたい。

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